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霊感ケータイ  作者: リッキー
来ちゃった
266/450

150.洗面所で二人きり


彼女の前向きな性格も、時には、他の人を勇気づける。

先生も少し、気が楽になった様だった。


本当は、ワラ人形の攻撃を受けて、ここまで来るのに精一杯のはずなのに・・・・

そう思ったら・・次の行動に出ていた僕・・


「ねえ。美奈・・・」


「なに?ヒロシ君・・」

僕の声に、嬉しそうな顔をして答える彼女。


「ちょっと・・・」


「????」


僕は、彼女を洗面所の方へ連れ出した。


「ん?どうしたんだ?急に・・・」


「ランデブー・・なのかな・・」


「ら・・らんでぶ~????

 こら、ヒロシ!

 霊感少女に変な事するんじゃないぞ~」


不思議がっている先生と父、そして先輩・・


「ヒロシ君・・」









 バタン


洗面室のドアを閉めて、二人きりになる・・


カチャ・・


しかも、鍵を掛けた僕・・


「な・・何を・・するの?」

急な展開に戸惑っている彼女。


「ちょっと、そこに立ってて!」


僕の言うがままに、洗面台の鏡の前に立った彼女・・

僕は、彼女の後ろに廻る。


「な・・何???」


不安そうな表情で、半分、嬉しそうな彼女・・・

いや、何か期待している様な感じなのだろうか?


「ひゃ!!」


彼女が急に、変な叫び声をあげた。


僕が、彼女の背中に触れたのだ。

例の、心臓の脇の悪霊に刺された傷跡・・・


少し、手を押し当ててみる。


「痛ッ!!」


痛そうに、手を胸に当てる彼女・・


・・・やっぱり・・・



「美奈・・・」

そう言った瞬間、僕の方へ振り向く彼女。


「何で・・

 わかった・・・

  の?」

今まで、苦しそうな感じは微塵も出さなかった彼女・・

でも、僕には、なんとなくわかった。


ちょっと・・・

いや、かなり、無理をしてここまで来ているのだと・・・


「わかるよ・・・

 オレには・・何となく、わかるんだ。

 昨日の夜は、別れるまで、ずっと苦しそうだったから・・

 こんなに早く、回復するはず・・ないんだ・・・」



「凄い・・ん・・・だね・・・」


半ば、放心状態の彼女・・

痛みがドッと押し寄せてきたようで、少し、顔が顔色が悪い。









「凄くなんかないよ・・

 美奈の事だから、そうなんじゃないかって・・・

 どうして、無理して、ここまで来たの?」



「だって・・・・」


俯き加減の彼女・・


でも、急に、キッと僕の方を見つめ、話出す彼女・・


「悔しかったんだもん!


 先輩が一緒に、

 ヒロシ君の傍に居るんだって・・

 思ったとたんに・・

 ここへ来なきゃって・・」



「美奈・・」



「昨日の夜・・

 私の所へ来てくれた時・・

 先輩とヒロシ君・・

 息が合ってたの・・・


 先輩・・

 頭も良いし・・

 しっかり

 リードしてくれるし・・


 「大人」だし・・


 これ・・


 嫉妬・・


 なの


 かな・・


 翔子ちゃんが、

 やっと

 居なくなったって


 思ってたのに・・」




「美奈・・」


彼女の目が潤みだしてきていた。


「ヒロシ君の、

 周りに

 人が寄って来るの・・

 好意を持って・・


 ヒロシ君・・

 無防備なんだもん・・

 皆に優しいから・・」


昨日の夜、先輩と話していた内容を思い出した。

彼女以外の人は、無視した方が良いのだろうかと、先輩に相談したけれど、

先輩は、「そのままで良い」って答えた。


それが、僕なのだと・・

でも、それは、彼女を不安にしているのだった。


心配になって、ここまで来た彼女。

傷が痛むのを我慢してまで・・・


洗面所で、向かい合う僕達だった・・・













洗面所に入って、出てこない僕達が心配になった先生と父・・

顔を見合わせている。


「何か、変な事してないでしょうね・・・・」


「まさかね・・・」


先生が、洗面所のドアを開けようとするが、鍵がかかっている。


「こら!ヒロシ君!!

 何やってるの??」


気が焦っているらしく、ガチャガチャとノブを握って必死に開けようとしている先生・・


「こら~!まだ、あんた達は、中学生なんだから!!!

 開けなさい!」


向かい合ったままの、僕と彼女・・・


外では、何か勘違いしているようで・・

出るに出れなくなっている。


「ど・・どうしよう・・・先生、動揺してる・・・」


彼女が戸惑っている。

別に何をしているわけでもないのだけれど・・・










「何で、鍵かけちゃったの?」



「え?

 二人きりになりたかったし・・・

 聞かれると、まずいかなって・・・」


「二人きり?」



「うん・・・

 二人の方が話し易い事もあるだろうし・・・」


「そ・・

 そうだよ・・・」


キョトンとしている彼女・・

さっきまで、僕に、ありったけの感情をぶつけていた。

ずっと心に溜めていた事・・


楽しそうな顔をしていたけれど、実は、そうでもないって・・

何故か、見抜いてしまっていた僕・・


二人でいる時間が長いせいなのか・・

言葉にしなくても、伝わる事があるのだ。



「美奈には・・

 我慢して欲しくないんだ。

 隠し事もしたくない・・


 だって・・

 誓ったんだもん・・

 帰るのは

 君の所だけだって・・・」


「ヒロシ君・・」

真剣な眼差しとなった彼女。


見つめ合う僕達・・・











「僕は、君に隠し事はしないよ。



 だから、




 君も・・



 隠し事を



 しないで・・


 何でも言って欲しいんだ。




 その・・



 一方的過ぎるのかもしれないけれど・・」




















「わかった・・



 私も



 隠し事しない・・






 そうよ・・



 あのワラ人形は、かなり本格的だった・・



 霊力が無い人でも、



 多少の怨念さえあれば



 増幅される・・



 何度も撃ちつければ・・


 ダメージも大きくなる。





 私の胸を集中的に攻撃しているのよ・・」





「じゃあ・・


 先輩の・・」





「未来先輩の攻撃が・・


 一番こたえた・・・



 まだ、痛みの大半は、


 先輩のダメージよ・・」




未だに、完全には治っていない彼女の傷。

その話になると、責任感に囚われた表情になる先輩。

二人の間に、大きな傷を残している・・



「先輩の前では、言えないのよ・・

 反省してる人に、これ以上は、言えない・・・」



「そうだね・・


 君の傷は、


 先輩がどんなに、謝罪して、反省したとしても・・


 癒される事は無いのかも知れない・・



 それは・・


 僕も


 謝るよ・・


 ごめん・・」











「何で・・


 ヒロシ君が・・



 謝るの?」







「わからない・・




 でも、





 童子が言っていたんだ。




 もう、



 何百年も前に、




 オレが



 ヤスマサだった時からの



 因縁の対決に




 君を巻き込んでしまっていた・・




 それから



 ずっと・・




 オレと君とで




 あの




 妖怪達と




 対決してきたんだ・・ 



 オレの



 力がなかったばかりに




 未だに




 あの



 悪霊たちを



 退治できていない・・





 それが




 今の君を




 苦しめているって・・」

























「ううん・・





 私は





 今も




 昔も




 あなたに・・・









 ヒロシ君と




 共にいるだけで・・



 共に戦えるだけで、




 幸せ・・






 私は



 ずっと



 幸せだったのよ。




 どんな時代でも・・




 どんなに



 苦しくても・・」






「美奈・・」







自然と、肩に手を添えた僕・・



彼女が目をそっと閉じる・・




「ヒロシ君・・」











 ガチャ・・・


「こら~~!!!!!

 何をしておるか~~!!!」


ドアが開いて、先生が入って来た。

抱き合っている僕達が凍っている。

どうやって入ってきたのだ????


「水島さんが、コインで開けられるって、聞かせてくれたのよ!」


先輩が、十円玉を持って覗いている。

洗面所のドア自体、鍵と言っても外からコインで開けられる簡単なものなのだ。

あまり、鍵の意味は無い・・・一般の住宅のカギは、大抵、そういったものだった・・・


ほんのつかの間の、僕と彼女の空間だった・・




その時・・



  ガタ・・・



洗面所のすぐ前にある、僕の部屋で物音がした。


愛紗さんが目覚めたのだろうか?

学校の音楽室で気を失って、ずっと寝たままだった愛紗さん・・・・


「愛紗さん?


 目覚めたの


 かな・・・」


ドアを開けて、部屋に入る、先生と彼女、そして先輩・・

僕は、例の如く、男子禁制で、廊下で待つ、


うう・・・こういう時、男は・・・





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