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霊感ケータイ  作者: リッキー
呪いの藁人形
205/450

89.裏切り者


視聴覚準備室。

オカルト研究会の部室である。


 ガラッ


勢いよく扉が開く。教頭先生が入って来た。


「水島君は居る?」


拓夢君が呼ばれる・・・

隣に居た未来先輩の方を見る拓夢君・・


いよいよ、来る時が来た・・


「行ってくるよ・・」


「タクム・・・」

心配そうな目で見る未来先輩・・・


教頭先生に呼ばれて、部屋を出る拓夢君を部員達が不思議そうに見つめる・・

『いったい何があったのか』という感じだった・・・










家庭科室にて・・・

椅子に座る教頭先生の前に立たされて、尋問(?)を受けている拓夢君・・・


「どうしたのでしょうか?」


「今日の博士の作業が延期になったのは、見ての通りです。」


「はい。残念です・・・」


あまり残念な顔をしていない拓夢君・・


「今日からの博士の作業が始まる予定でしたが、

 北側校舎から行うという情報が漏れていた可能性があります。」


「それは・・・」


「昨日まで、北側校舎で、ゴーストバスター部による『除霊』が行われたと、

 卓球部の部員からの証言が得られました・・」


どんなに隠し通しても、除霊の儀式は人目につく・・いずれはバレると確信していた拓夢君・・


「その情報を・・誰かが流した・・・

 と?」


一応は、とぼけてみるが・・


「この部活で、ゴーストバスター部に肩入れしている可能性が高いのは、あなたしかいないのです。」


「僕も殆ど監視されていたので、情報を流す事もままならない状態でしたが・・」


反論もしてみた。


「監視する部員以外は・・

 あなたのお姉さんと一緒にいる時が多かったそうだけど・・


 まさか・・・

 副部長も?」


そこまで言いかけた時、先輩に疑念が向けられると思い、白状することにした拓夢君・・


「お姉ちゃんは関係ありません・・・

 僕が、情報を流しました!」


その、あっけない白状に驚く教頭先生・・









「あなたは・・・

 ウチの部活に恨みでもあるの?!!


 お姉さんと一緒に研究をしたいって、入って来たのに・・

 これは、裏切り行為ですよ!!」


「いえ・・

 そんな事は無いです。

 この部活でやっている事は、有意義だって思ってます。


 ・・でも・・・」



「でも?」


「ゴーストバスター部の皆と知り合ったら、

 あの部活の人たちと仲良くなったら・・


 そっちのほうが

 本当の世界なんだって、気づいたんです。」



「本当の世界?!!!」


「『霊の世界』です。」


「バカバカしい!!あなたは、あの人たちに騙されているのよ!」


「博士の研究も凄いって、思いました。

 こんなに探究しているなんて、目から鱗だった・・


 でも、

 本当の世界を見ようとしていないんです。」


「あなたに、何が分かると言うの?!!」









「僕も・・見えるから・・・」


「!!!!!」


その答えに唖然とした教頭先生・・・



「見えるから・・

 分かるんです・・・

 

 霊の世界があるって・・分かっているから、

 博士や、この部のやっている事って・・

 根本から違うんです・・・」



「見えるって・・・

 あなたも・・

 霊能者だったの?


 あのゴーストバスター部の

 メンバーと同じ・・」



「そうです。

 小さい頃から、僕は『霊』の世界が

 見えていたんです。


 その探究をしたくて、

 この部活に入ったんです。」 




「出て行って!!!」

急に叫ぶ教頭先生・・


「え?」



「出て行って!!!

 あなたの様な・・

 霊能者など・・

 要らない!


 私達の研究を惑わす・・

 けがらわしい存在・・!!」 


教頭先生の脳裏に、陽子や響子の姿が浮かんでいた・・

高校の時に、今西の部活を崩壊へと導いた霊能者達・・・・

激しい感情を露わにした教頭先生を前に、拓夢君もこれ以上の説得は無理だと断念した・・



「わかりました・・・

 残念ですが・・」


そう言いかけた時・・













 ガラ!


扉を開けて、未来先輩が入って来た。


「教頭先生!!」


「水島さん・・・!」


「お姉ちゃん・・」




「情報を流したのは、私です!拓夢は悪くありません!」



「水島さん?!!!


 今・・

 何を・・・」


耳を疑った教頭先生・・・



「私です。

 私が、ゴーストバスター部に情報を流して

 除霊をしてもらったんです!」



「あ・・

 あなたが・・・


 何故・・!!」


思わぬ告白に、動揺している教頭先生・・・


「危険だと思ったからです。

 博士による一方的な削除は、危険が伴います。」



「そんな・・

 万全な準備をしてるって・・

 私が、言っておいたハズなのに・・」


「それは・・


 私も・・・

 見えるからです・・!!」



「!!!!!!」


その告白に、衝撃を受けている教頭先生・・・



「何度も言おうと思ったんです。


 でも

 言えなかった・・


 博士や教頭先生の熱心な研究姿勢に、

 私もついていきたかったから・・」


その言葉は教頭先生の耳に入っていなかった・・ 

我を忘れている様子・・











「いったい・・・あなたたち・・姉弟は・・・


 揃いも揃って・・・


 私を・・この部活を・・・


 いったい・・・


 何だと思っているの???」



「オカルト研究会は立派な研究をしています!」



「ずっと、私を騙していたのね?


 この部活を・・


 つぶす気でいたのね!!!」



「そんな事はありません!!!

 私は、この部活が好きです!!」




「あなた達、霊能者は、何でも知っているような事を言って・・


 私の大切なモノを次から次へと奪って行った・・


 あなたを・・・



 副部長として

 信頼していたのに・・・


 あなたまで・・

 私の・・大切なものを奪うつもりだったのね・・」



「教頭先生!

 私は、そんなつもりはありません!


 この部活だって、私の大切な所なんです!」


先輩の言葉は虚しく、教頭先生に届かない・・



「出て行って・・」



「え?」







「あなたも、この部活から出て行って!!!


 裏切り者!!!」



怒りで自分を抑えられなくなっている教頭先生。

その言葉を残して、家庭科室を去ろうとしていた。


扉を開けて出て行こうとしている。


「教頭先生!待ってください!!」

涙目の先輩が、教頭先生の手にすがる・・

 

「触らないで!!!」


その手を振り払う。


「キャ!!!」


「お姉ちゃん!!」


机にぶつかる先輩。頭を打ったようだった。手で頭を押さえる。

その姿を一瞬見たが、そのまま出ていく教頭先生・・・


「大丈夫?


 あ・・・

 血が・・・」


「え?」

押さえている手から血が滴り落ちている・・・


涙が溢れてくる先輩。



「タクム・・


 私・・

 どうすれば・・」


「お姉ちゃん・・」


「私・・

 裏切り者だって・・」


「そんな事ないよ!

 お姉ちゃんだって、博士や部活の事を思ってした事なんだ。悪くなんか、ないよ!

 僕、あの人に相談してみる・・」


「うん・・」


先輩を保健室へと連れて行く拓夢君・・・













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