85.待ち伏せ
駅前の公園に辿り着いた沙希ちゃん。
噴水のある公園だ。
「この公園ですか?」
ええ!この公園の方からよ!
響子
沙希ちゃんの周りで、響子と翔子パパが辺りを探索する。
噴水の前まで来た時・・・・
ブワーーーー!!!!!
藁人形とは異なる衝撃波が響子を襲った。
「何?!!」
咄嗟に避けた響子が叫ぶ。
今までの衝撃波とは、異なっていた。
攻撃系の念波のようだった。
「お父さん!!
何か居ます!!
私たちを狙っている!!」
「響子さん!沙希ちゃんを援護してください。」
「はい!でも、何処から・・」
何者かが、こちらを狙っているのだ。
だが、姿が見えない・・・
噴水??
ブワ!!!!!!!
「来た!!」
再び、先程の衝撃波が襲う。
沙希ちゃんを庇って(かばって)、立ちはだかる翔子ちゃんのパパ。
「ハ!!!!」
クワ!
翔子ちゃんのパパの気合により、体の周りが光に包まれる。
ババ!!!!
光のバリアで衝撃波が食い止められる。
その陰になる響子、そして、沙希ちゃん・・
響子は沙希ちゃんを守るように身を構える。
沙紀ちゃんには、この間の音楽室での出来事のように、強い風が襲っているように見えていた。
「何者だ!!」
翔子ちゃんのパパが叫ぶ。
「フフ・・地獄で特訓をしているようだな・・・
だが、こちらの作戦の邪魔はさせん!」
噴水の中から、出てくる、黒い影・・・
「きさまか!星熊童子ってやつは・・」
構える翔子ちゃんパパ・・
「その通り・・
よくぞ、たどり着いた・・と言いたいが、
ここから先は行かせん!」
チャラララ・チャラララ
沙希ちゃんの持っていた霊感ケータイが鳴りだす。
「何?」
沙希ちゃんが電話に出ようとするが・・
沙希ちゃん、ダメだ!電話に出ては!!
翔子ちゃんのパパ
「どういう事ですか?」
童子と話せば、生体エネルギーを消耗する!
電源を切るんだ!早く!
翔子ちゃんのパパ
「わかりました!」
ピ!
何が起こっているのか分からないままに、電源を切る沙希ちゃん・・
二人とのコンタクトも取れない中で、不安な状態になった・・
再び、童子と対峙するお父さん。
「水島さんを使って、ミナちゃんを攻撃しているのか!!」
「御察しの通りだ。
人の怨念は我々の攻撃を遥かに凌ぐ(しのぐ)・・・
しかも、あの者はある程度の霊力があるからな・・
あの小娘を一気に弱らせるには、丁度良い・・」
「そうは、させん!!
響子さん、沙希ちゃんを連れて行ってください!!」
「はい!・・
でも、どうやって・・・」
「そうか・・霊感ケータイを切っているんだった・・・」
霊感ケータイでの通話は、沙希ちゃんにかなりの負担をかけてしまう・・
悪霊は一方的に通話する事で、使ている人の生体エネルギーを消耗させる。
その手段を断つために、携帯電話を切らせた翔子ちゃんパパだったが、
今度は、コンタクトを取る事が出来ない・・
童子の方が戦い方に於いては一枚も二枚も上だった。
「フフ・・身動きがとれまい!」
あざ笑う星熊童子。




