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霊感ケータイ  作者: リッキー
ファーストコンタクト
175/450

59.襲撃


「ぐはーーーー!!!」


咄嗟とっさに、お父さんの後ろへ身を投げ出し、かばっていた博士。


「博士ーーーーー!!」


叫ぶユミちゃん・・


「ぐうう!!何だ!この抵抗は・・・」


肩にしびれと痛みを感じた博士・・

両肩に、何かが重くのしかかる感覚を覚えた・・






そして・・


次の瞬間、


フッと、そのしびれ感が飛んでいた。



「何??」


不思議に感じた博士・・・


温かい感覚。






振り向くと、






ウサギの


ぬいぐるみを抱えた


少女が、


博士に背を向けて、立っていた・・







霊感の無い博士・・


目を疑う・・





そして


その少女が


ちらっと


振り向いて


笑みを浮かべた











「弥生・・・」



呟く(つぶやく)博士・・



そこに、交通事故で亡くなったはずの


弥生ちゃんが


立っていた。





間違いない・・・・


亡くなる直前の姿のままの弥生ちゃんだった・・





再び、前を向いて、玄関の方を睨む・・



玄関から向かってくる霊から博士を守ろうとしている弥生ちゃん・・










「雷・風・恒!!!!」


カーーーーーーーーーーーー!!!!



突然、まばゆい光が辺りを照らす。(霊感の無い人には見えなかった・・・)

玄関から押し寄せていた影が跡形も無く吹き飛ぶ。



「博士!

 この世界は、滅多に足を入れるモノではありません!!!」


「君は!!」

博士が叫ぶ。


白装束に身を包んだ陽子が姿を現わしていた。



「ここは、あなた方、家族にとって、『鬼門』!!

 死にたくなければ、この家を手放しなさい!!」


お父さんに向かって叫ぶ陽子。



「そんな!!

 ここは、私達が借金をして建てた家なんだ!!

 手放す事なんか出来ない!!!」


「そう・・・

 そして、はかない、小さな命も犠牲にした!!」



「え??」

お母さんが耳を疑う・・


「生まれてくるはずだった、

 新しい命を!!!」


お母さんのお腹を指さして、叫ぶ陽子・・


「うううう・・・」


その場に泣き崩れるお母さん・・・


「お母さん?」

介抱するユミちゃん。


「ユミちゃん・・・ごめんなさい・・・

 本当は、あなたに、妹が生まれるはずだったの!!」


「え?」


「仕方がないんだ!!

 借金を返すためには!!」


お父さんが叫ぶ。


「お金の為に・・

 犠牲になっていい命などない!!!!」


「うう・・・」





「そんな命でも、あなた方を、守ろうとしているのが、わからないのですか!!!」


「ええ??」


お母さんが目をみはる。


ウサギ小屋にいた黒い影が、お母さんの脇に来て、無数の霊に立ち向かっている。


水子霊・・この世に生まれてくるはずの名もなき命・・


「生まれてくるはずだった子が・・・

 私達を?・・

 私は・・この子を・・

 見捨てたのに・・!」


お母さんが叫ぶ・・。



「もう一度聞きます!

 家族を取るのですか?

 それとも、この家と心中するのですか!!!」


「あなた・・」


「クう・・・!!!」

まだ、諦めきれない様子のお父さん・・



  ピピピーーーーー


  ボン!!!!


「博士!計器が限界です!!!」

煙を上げる装置・・大平さんが音を上げる。


「く!荷電分子のレベルが高すぎるのか!!」


博士が、その状況に驚いている・・




次から次へと襲いかかる霊体に手刀を放つ陽子・・


だが・・・




 ガクッ・・





膝を地面に落とす陽子。


「く!力を使い過ぎたか・・・!!」



再び、無数の霊に取り囲まれている一同・・





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