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ゲームの世界
『ファンタジック・カストロ』私が嵌っていた
オンラインRPGゲームだ。……恐らく目の前で私を警戒している人物は、ゲーム内でも圧倒的強さを誇るキャラ、タナトス・アルギュロスだろう。育成すればする程、彼が使えるスキルは広がり、バトル戦で敵のチームに彼がいると、尻込みしてしまう程のキャラだ。入手するのも困難であるし、育成するのにも時間がかかる為あまり好まれて使われていない。しかし、これは夢なのだろうか。それとも私の妄想か。何故ゲーム内のキャラであるはずの彼が、目の前に居るのかが理解が出来なかった。
「…メガイラ様。取り敢えず先の湖でお顔を洗われては?…返り血で綺麗な白髪が真っ赤に染まってしまっております。…お話はそれからでどうでしょう。」
黙って考え込んでいた私を不審に思ったのだろうか。アルギュロスの提案で、私は取り敢えず湖に向かう事にした。…ここが本当にゲームの世界というならば、湖の場所は覚えている。