プラットホームと、1本の傘。
掲載日:2019/05/05
薄汚れた赤錆のもと
いつまで経っても 離れずにいる
突如 豪雨が訪れようと佇む傘に
決して 誰も見向きやしない
いつも ひとりぼっち
貸し出し自由の特権なのに
苔だけが友達に成りつつある
透明な羽根
冷たい雫 ぬるい湿度
せめぎあう砂鉄 狂う足取り
誰も見向きはしない
たったひとつの物語
子供が手にしてみても ──
役に立たないモノだと分かる
裏返った傘には用はない
あとは ただ捨ててしまうだけだった
カタツムリと
紫陽花が微笑んでいた
ただ しっとりと ──




