エピローグ それぞれの道へ!
実際の話。“GETEGOGO”の開発が進むに連れ、別次元の世界はどの様になっているのかその研究も進められていたと聞いた。
そして時は過ぎ、“GETEGOGO”が開通するまでの間に合計3つの異世界が発見された。
1つは、剣と魔法が交錯する異世界。
人々は歓喜し一番人気があった世界だ。異世界定番である魔物も存在し、未だ見ぬ能力を使いたいと開通と同時に人々がなだれ込んだと聞く。
1つは、魔法の能力を競い合う異世界。
この現実世界のように悍ましい魔物達はいない。あるのは魔法魔法魔法。兎に角、魔法を極め頂点を目指す世界。
第2に異世界移住が多かったそうだ。
1つは、剣も魔法もある異世界。
一見、最初言った異世界と変わりはないように思えたが、注視したいのはその魔物達。
この世界にはそれは悍ましい程の魔物達が犇いているとされ、この3つの異世界の中では一番不人気だった。
この主要な理由が魔物達の強さ。人間達が抑圧された世界にこぞって行く人々は少なかった。
それでもこの世界に移住する人々が少なからずいたのは、名を挙げ有名になりちやほやされたいという人間らしい欲求だ。
大災害に見舞われる星、地球を離れたいと移住する人々は口を揃えてそう言う。
そして月日が経った頃。魔物の大群がこの地球に襲来した。それが3つ目に挙げた異世界の魔物達だ。
個性ある勇者達のおかげで居場所を失った魔物達は、住まいを求めてやって来たそう。
全く。迷惑な話だ。
そして。俺が働いていた時に来ていた三体の魔物。
後、聞いた話によると魔王フォルスはその巨躯と怪力を生かして災害見舞われた街や都心部の工事現場にいるそうだ。魔王、何があった?
目撃した人の話によると、その怪力で岩のように積み上げられた残骸や薙ぎ倒された電信柱を数本抱えて大型トラックに積んでいたそうだ。
俺はその話を聞いて、目撃者に魔力戻ってきてない? と聞くとそれは魔王たる所以だ!! などと言っていたらしい。
魔力いらなくね? と思ったのはその場にいた人殆どが思ったそうだ。
流石、元異世界を統べた魔王だ。
そして、誘惑の魔女サキュバスのアモティ。
彼女? はその魅惑艶めかしいフェロモンで、仲間のサキュバス達と共に“サキュバスとイクッ! ドッキドキ! NIGHT PARADISE!”という名前のホステスクラブを始めたそうだ。とても大盛況しているようで、何処ぞの国のお偉いさんも訪れたそうだ。
不覚にも行ってみたいと思ったのは男の性だ。そっと俺の心の中にしまっておく。
奈々に知られたら--
話を戻す。
彼女はその三体の中でも一番人間らしい。というより、元々異世界では人間の男を誘惑していたそうで最終的に今の体に落ち着いたらしい。
元は今のような体では無く、頭からぴょこんとしたものが飛び出していたりしたそう。それでも、彼女が人間では無いと分かるのは背中と尻の付け根あたりから生える長い尾。
それでお客さんを巻き殺しそうになったのは、体験者の話。
いくら人間じみたことをしてもやはり魔物だ。
そして、魔王フォルスが魔剣使い一二を争うと豪語するルヴァ。
彼は--消息不明だ。うん。驚きやしない。彼だもの。
と思っていたのだが、目撃者というか目撃魔物が現れた。
どうやらその魔物によると、ルヴァは地球に残った人々を襲わないように同じ時に来た魔物達に伝えているらしい。意外だった。
魔物に聞いた話だとルヴァは俊足の持ち主で、やはり異世界の魔物の中でも一二を争う程だという。
何故、魔王や魔女、それ程の魔剣使いが俺がいた潰れかけのファ-ストフ-ド店に来たかは横に置いて。
ルヴァは魔物伝えにその輪を広げる活動をしているのだそう。
何とも泣けてくる話だ。魔物らしからぬ思考。
--そして。残った人類が出した結論は、魔物達の居住を今のところ許可すると公に発表した。
大災害に見舞われた後、襲来した魔物達。彼らは傍若無人のままあらゆるものを破壊したが、それは大災害の比では無かった。
それでも、地球を荒らした魔物達を許さない僅かに残った人類だったが、魔力枯渇後の魔物達の弱さは目に見えるものだった。
中には魔力に頼らない魔物達も少なからずいて苦戦を強いられた人類だったが、間も無く終焉の時が訪れた。
俺が出会った3体もまた魔力に頼らない魔物達だったが、多勢に無勢。
魔力に頼り過ぎた魔物達が圧倒的に多く、逃れ逃れ俺が働いていたファ-ストフ-ド店に来たそうだ。
その後の話は俺が言った通りだ。
その後の俺は--
僅かに残った生徒達が集まった学校。
“希望学校”
小学校、中学校、高校とも付かないこの学校は、残ったこれからの人類の為に建設された。
同様に各国各地様々な地域場所でも、名は違うとも同じ価値観の元建設が進められている。
そんな世界に俺、街中守はいる。
“GETEGOGO"
異世界に続く道は今も開く--
君はあなたは、そんな異世界は行ってみたい?
少なくとも俺は--
~おわり~