プロローグ 皆んなで異世界へ!
2150年--偉大なる科学技術の進歩により、人類は異世界に行く装置を発明した。
“GATEGOGO”
装置の名前だ。如何にもという名前だ。開発者のセンスを疑う。
人類はこれまでの間、幾度と無く大災害に見舞われた。
マグニチュード8クラスの大地震多発、類を見ない大型台風の上陸、それらによる大津波、氷河期の到来。そして隕石の飛来だ。
日本を含め多くの国々でそれらが発生し、人類は衰退の一歩を辿る一方だった。
そしてそれを大きく後押ししたのが隕石の飛来だ。人々はその隕石の飛来により次は宇宙人でも侵略して来るのではないか。そう噂する人々も多かった。
日に日に人口減少が目まぐるしく目に見え、世界各地で緊急会議が開かれた。
それにより世界中から集められたトップクラスの研究者達により、間も無くして開発されたのが“GATEGOGO”だ。
その完成を待ちに待った人類は直ぐに“GATEGOGO”へと向かう。
80%
これが異世界に行きたいと願う人類の総数。
しかし当初の予定より大幅な希望者が募ってしまった。
しかも試験的に異世界に行った人々との連絡が取れないという事態が発覚した。
それでも異世界移住を希望する人々が後をたたなかったのは、次々と地球を襲う大災害から逃れる為だった。
“GATEGOGO”
偉大な研究者達による大発明。
しかしその名前が示す通り“GATEGOGO”は異世界へ行く! ただそれだけを信条に発明された。
勿論、異世界から地球に戻ることを前提とした提案も数多く挙がった。しかし何の為に異世界に行くのか? その一点に各国の重きが置かれた。
今まで過ごして来た地球。
別れを惜しみ悲しむ人々もいたが、異世界へ移住することは人類の存続の為に必要なことだった。
幸いなのは人類の80%が自ら進んで異世界移住を望んでいることだった。
そして僅か10年という年月を経て、地球にいた80%の人類は異世界に旅立って行った。