毒書のススメ(番外編)⑤~誤用のススメ~
皆さんこんにちは。時候の挨拶はさておいて、最近なんだか危ない本に出会えていません(切実)
いや、私はそもそも読書が好きなので毒書が好きなわけじゃないんだからねっ!
ツンデレ(誤用?)
というわけで今回は誤用です。誤用といっても金田一秀穂先生曰わく、言葉は生き物なので時代によって意味が変遷するもの。平安時代の言葉を今使わないのと一緒でいとをかし。てな訳で。私はなるほど確かにと思いました。例えば「貴様」なんて字面だけ見たら納得です。
ですがそれでも許せない誤用が私にはあります。それは専門用語、つまり何かの体系の一部を説明するときに使う用語です。専門用語を誤用すると体系自体が勘違いされたり論理が狂ってしまうので大変迷惑です。
①性善説
生まれながらにして人間は善の性善説ですが、ご存知の通り仏教用語です。生まれながらにして善なら仏教いらねーじゃん!というツッコミが山に木霊していますが、勿論ご存知の通り続きがあります。生まれながらにして人間は善だけど社会に染まると悪くなるから念仏唱えようぜ!ヒウィゴッ!が本意です。こういう体系を狂わせる誤用はよくないと思うんですよね。
②イノベーション
シュンペーターが広めたイノベーションですが、こちらは経済用語です。若手起業家とか経済評論家がTVでよく使っているイメージですが、シュンペーターの本を読むとイノベーションのイメージがだいぶ変わります。イノベーションは大切だから起こそうぜ!というのはシュンペーターも主張していますが、こちらにも続きがあります。シュンペーター曰わく「イノベーション起こそうぜ!でもイノベーションが起きて社会が成長して飽和するとイノベーションは起きなくなってくるから資本主義から社会主義に移行しようぜ!」という感じです。このような論理体系の一部を切り取って主張するのはよくないとおもいまーす(小保方風)
というわけで今回は誤用のススメでした。他にもハムラビ法典の「目には目を」や、健全な魂は健全な肉体に宿るとか誤用は山ほどありますが、私自身も誤用している可能性を否めないのでこの辺にしておきます(戒め)




