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未定  作者: センリ
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始まり

パリンッ

何かが割れるような音が響いた。


「なんだありゃ…?」



音の方へと振り向いてみると何も無い空間にガラスの亀裂ようなものが走っていた



【フンッ…どうやら結界を維持していた力の源であった吾と岩巨人(ゴーレム)が消えた事でこの世界が耐えられなくなったようだな】



はっ?この世界(・・)



【一先ずこの世界からでるぞ、あの亀裂に近づけ】



「…………あ、はいワカリマシタ」


もはや俺の脳では処理しきれん、取り敢えず従っとこう…



言葉のまま亀裂に近づき手を触れる

すると、スッとその亀裂に吸い込まれてしまった。




「うわあっ!…っと」


ポスんと尻餅をついた先に目に入ったものはなんと草原地帯……ではなく平原が広がっていた

先程まで緑の草原しか見えなかった場所が平原に変わっていたのである、それよりももっとおかしな事があった。



「はいい!?なんでっ…太陽が?」


先程まで沈みかけていたはずの太陽が自身の真上にて日を差していたのである




【どうやら特に問題も無く出られたようだな】



すると左腕に着けてある籠手から声が響いた。




「ちょっあ、えぇー!?あ、えぇーー!?」


【何を今更…しかも何故2度も余計に驚くのか……】



呆れているような声音で喋る籠手

そりゃ驚くわ!さっきはゴーレム出たり墓石が喋ったと思ったら籠手が喋ってたり何も無いところに亀裂があったり触ったら場所が変わるわ太陽は登っているわでもう訳がわからん!!

俺の許容量をとっくにオーバーしてるわ!




【まあ一先ず落ち着け】



そうだな…そうしよう


俺は近くにちょうど良く座れそうな岩場を見つけそこへ腰を落とす。




【まずは自己紹介でもしておこう

吾の名は〝ディー〟《反逆ノ籠手リベリオンガントレット》に封印された意思だ】




反逆ノ籠手リベリオンガントレット

この籠手の名前なのか、武器に宿った意思とか俺の理解の範疇を超えまくってるから困る…。



「あーえっと…よろしくなディー。

取り敢えずさっきは助かったよありがとう」



【礼はいらん、そもそもあの退屈な世界と忌々しい封印から解放してもらったのだ。礼を言うのは吾の方だろう、そもそも何故貴様が吾の封印を壊す事が出来たかの方が吾は疑問だがな?】



触ったら勝手に壊れただけなんだけど…



「ディー色々教えてくれないか?あんたの事とか色々とさ…」



【ふむ、さっきも言った通り吾は《反逆ノ籠手リベリオンガントレット》に封印されし意思、いつどのようにして吾がこの様なモノに封印されたか、吾は一体何者なのかも記憶には無い、気付けばあの石に閉じ込められ幾星霜の年月が経過していた、そこに貴様が現れ石の封印を解いたという感じだ】



「ディーも記憶喪失なのか」



【ンン?その口ぶりだともしや貴様も記憶がないのか?】



取り敢えずディーにココに来た経緯など全てを教えた

和服の少女と出会い気付いたら草原にいた事、基本知識はあるが自身の記憶のみが思い出せない事




【どうやら吾と貴様は似通っている様だな、吾も名前と自身の力やこの世界の幾分かの記憶はあるが、何故封印されたのか吾が何者なのか全く覚えておらん】



フンッと鼻が無いのに鼻で笑いながら喋る籠手というのもシュールだな



「なあさっきから聞きたかったんだがあの世界やらこの世界ってなんの事だ?なんで急に太陽が沈みかけてたのに今はちょうど真上に?あの巨人はなに?聞きたいことしかないんですけど?」




【それに関しては色々教えてやる】



ディー曰くあの草原は一種の空間であり別の世界

何者かがディーを封印するために作り出したらしいが空間を維持するチカラがディー依存だったため空間世界の維持が出来なくなり壊れたのだという。

何故、向こうの世界では夕方だったのにこちらでは昼?なのかは時間の流れが僅かであるがズレていたからだそうだ。

ディーの意識はずっとあったが目覚めた所で封印が解くのは不可能と断じだためずっと寝ていたそうだ




【まあその代わりに時間は腐るほどあったからな、空間世界の脱出方法や自身のチカラの事は調べられるだけ調べたわ、動けないが故に脱出は一か八かだったがな】


「え?じゃあなに?あの亀裂へ入ったのは脱出出来るとわかってたからじゃないの?」


ディーは何事はやってみなければわからぬだろうとぞんざいに答えた。

コイツ出られなかったら一体どうする気だったんだよチクショウ!



まあ調べても調べても動けないのであれば他に調べようがない

さらに別世界+三重にかけられた封印のおかげで誰も現れない諦めて不貞寝していた所に俺が現れた。



【本当に貴様は一体何者なのだ?】


「逆に教えて下さいよ、名前も思い出せません!」



胸張って言う事じゃあなかろう…と呆れられた。

だって本当に思い出せないししょうがないじゃないかあ(え◯り君風)



【フンッでは貴様には名前が必要だな、よし!直々に吾が名付けをしてやろう!】




なんでこんなに偉そうなんだこの籠手は…?



【よし、決まったァ!名前無し!略して《ナナシ》だァ!!!】



「絶望的な名前のセンス!」



俺は泣いた、安直すぎやしませんかねディーさん?



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