私は、嘘の輪廻を回します。
嘘はだれだってつく。
そう誰かが言っていました。
本当に、誰もが嘘をつくんですか。
私は嘘をついたことがありませんと言ったら、あなたはどうしますか。
私は嘘をつきません。
子供のころ、母はこう言っていました。
「嘘をつくと、罰があたる」
本当ですか。
嘘をつくと、罰が当たるのですか。
では何故私には罰が当たらないのでしょうか。
私は嘘を付きます。
私は、嘘をつかないという嘘をつきました。
もうお分かりでしょう。
私は、嘘つきなんです。
子供の時からずっとそうです。
楽しいから、嬉しいから
そんなんじゃありません。
嘘っていうのは、人の心を見ることが出来るんですよ。
人っていうのはね。
嘘の固まりなんですよ。
私は、嘘つきです。
電車に揺られていると、一面にふわりと良いにおいが漂った。
香水でもない、なんだろうか、このにおい。
私にしか感じられないのだろうか。
これは、嘘のにおいだ。
あぁ、何て良いにおいなんだ。
人間の欲望の香りだ。
ふと私は気づいた。
このにおいが何処から流れているのかに。
なるほど。
一人の若い男性が美人の女性に話しかけていた。
自分を良く見せるための嘘か。
良くある話。
一つ、言っておかなければならなかった。
嘘は、輪廻する。
嘘っていうのは、回るんだ。
ぐるぐるぐるぐる。
そして、自分の所に帰ってくる。
出たときよりも、倍の倍になってね。
彼もきっと、嘘の輪廻を知ることになるだろう。
嘘つきは悪人。
そうじゃないんだ。
嘘っていうのは、無意味な行為でね。
自分を破滅させるだけ。
輪廻するって言ったけど。
回しているのはこの私。
人間って面白い。
どうして自分を壊していくんだろうか。
人間って面白い。
嘘は、回るのに。
私は、嘘をついて死にました。
だから誰よりも嘘の怖さを知っている。
死んだのに、ここにいる。
それは、何故だろう。
おかしいな。
私は頭がおかしいんだ。
きっとそうだ。
なんだろう、この笑い、この涙。
私は人じゃないんだ。
じゃあ何だ。
幽霊。
まさか。
私は、嘘をついて死にました。
今は神様のお手伝いをしている。
神が良いことをするなら。
私は悪いことをする。
私は、嘘の輪廻を回します。
この世界から、嘘が無くなるように。
嘘について、考えてみました。
どうでしたか。
くだらないと思った方は、お帰り下さい。
訪問、ありがとうございました。