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ゲートの開門

 フロリド貿易会社の建物はいたって普通のビルだった。しいて特徴をあげるのならば、ときより黒ずくめの男たちが出入りするっといったところだろうか。まさかこれがマフィア御用達の闇の銀行とは思いもよらないだろう。だが、ごく一部しか知り得ないこの会社の裏の姿をセルビアは知り得ていた。


「今日は~。ご用件は何でしょうか?」


 事務の女性が営業スマイルを浮かべてセルビアに声をかける。スーツ姿のセルビアは左手をポケットに入れている。チラッと目をやると警備員が二人奥のゲートで控えているのが分かった。


「セルビア・ロシュフォールという者です。すみません、アドニス・リッピさんに会いたいのだが」


 アドニス・リッピ……。もちろんそんな人物はいない。それを知らない彼女は少々お待ちくださいませとだけ伝え、電話をとって確認をとろうとした。

 セルビアはポケットに突っ込んでいた左手を出す。その手にはスタンガン。隙を見て首筋に電流を浴びせた。それに気付いた二人の警備員。――だがもう遅かった。セルビアの仲間が睡眠ガスを投げ入れる。


「第一段階クリア。これより第二段階に入る」


 ガスを吸わないように口元をハンカチで押さえつけるセルビア。トランスシーバーで仲間に指示を出し終えると、スマートフォンを取り出した。今回の協力者であるレコレッタ・ディクレミナーレの一員、天才ハッカー、ロバート・ジョンソンだった。


「……もしもし、セルビアだね。計画の予定時刻より早かったね。流石はプロだ」


 受話器越しにもキーボードを叩く鈍い音が聞こえる。


「お世辞はいい。ロバート、ゲートの開閉出来るか?」 


「ああ、今もうやってるよ~、あ、出来た」


 ロバートの声と同時にセキュリティーゲートのランプの色が変わり、閉まっていたゲートが開く。ゲートのセキュリティーが無効化されたのを確認したセルビアは仲間を呼び寄せる。


「大丈夫だ、それから警察への通報を切っといてくれないか?」


「うん、分かったよ。そうだなあ……、5分くらい貰えるかな?」


「それだけあれば余裕だ。俺たちは4階で待機してくる。それじゃあ5分後に」


 セルビアは電話を切った。そしてジャケットの胸ポケットからサングラスを取り出し身につける。こんな些細な仕草一つがセルビアにとってのジンクスだった。


「これより、A班・B班に分かれてる。A班は東非常階段から、B班は4階西側エレベーターにて待機せよ」


 セルビアの指示で一斉に行動を開始した。A班の指揮はセルビアが、B班の指揮はラファエルがとる。


 こうして、強盗作戦は開始された。

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