駄々っ娘ボスと老幹部
カレイ・モルダ
犯罪組織《BREAK》のボス。年齢19歳。
コロンビア大学を飛び級で卒業した天才。趣味はハッキングと株式投資。興味あることには全力で行動するが、興味が無いことにはとことん興味を示さない性格。
BREAKのアジトは観光地から少し離れたところにあった。一見すると普通のビルのような感じだ。このビルの最上階の部屋、その部屋のベッドの上にBREAKの若きボスはいた。寝そべったままノートパソコンを開いている。
「ここをこうして、こーやってっと。ふう、やっぱりボクは天才だナァ~」
そういうと画面上の数字を確認した上で、満足そうにパソコンを閉じる。ふいにドアを開ける音がする。
「ハァ、ハァ、お、お嬢! 探しましたよ、早くホテルへ」
息を切らしたフレドは今にも倒れそうで、部屋の壁に持たれていた。
「おいおいフレド~! 入る前にノックくらいしてくれヨォ~。それともそういう……趣味なのカ……? いきなり襲いかかるみたいナ?」
「違います! フレドをからかうのはお止めください! まったく、私はことごとく寿命が縮まりそうです!!!」
だいぶ息もフレドは頭を抱えたままぐったりと死にかけていた。
「はいはい、今のでその台詞を聞くのは合計693回目だヨォ。次はも~すこ~し、違ったセリフが聞きたいナァ」
「お嬢ッ!!!!!」
フレドはかれた喉から精一杯の声をかける。
「はいはい、分かったヨ!!! 行けばいんダロ、行けバ!!! 早く車を用意シテ! それと、さっきの株取引で100万ドル作ったから、ちゃんと管理しておいてくれヨ!」
そういうとカレイはショートヘアーの髪を揺らしながら部屋を出ていった。
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同じ頃、ニューヨーク市内、少し小さめのビル。その中では、職員が電話対応に追われていた。ここはジョバンニ物産。表向きはボルサリーノ・ファミリー幹部、フロリド・ガスティーの取り仕切る貿易商社だった。
「社長~! 社長にお客様がお見えになりました~」
女性社員の一人が社長席に座るガスティーに声をかける。両手を組んで椅子の背もたれに寄りかかったガスティーは我に帰ったかのように起き上がる。
「……! おう、お疲れ。…すまん、寝てた」
「あ、お休みになってたんですか~。って、ええええええええ!!!」
女性社員は驚きのあまり、手元に持っていた資料を落とした。
「いやいや、目開いてましたよね、目っ! 開いてましたよね!」
「ん~、俺ぁいつも寝るとき目ぇ開けてんだよ~。んで、何だったっけかな?」
「はぁ……。社長にお客様がお見えになりました~」
「ああ゛? お客様の対応はお客様対応センターの仕事だろぉ?」
「あ~もう!!! しゃ・ちょ・うにお客様ですっ! 何度も言わせないでください!」
女性社員が呆れていると、そこに秘書ガブリエル・ドルミーレが現れる。
「社長、コルボ・アレグロ様がお見えです。私と一緒に来てください」
「お~、ガブ~! ったく面倒だあな、こらまったく」
それを聞いたガスティーは面倒くさそうにゆっくりと腰をあげた。




