It's a show time ~♪
ウブ・ラウレイ
BREAK首領補佐。権力欲旺盛な野心家。
「て、手品だと? おい、聞いたかよお前ぇら。プッ。プハハハハ~」
シーザーとか呼ばれていたか、レッジの目の前の男をはじめとして、取り巻きの男たちが吹き出した。
「で、一体何をやるんだ? 手からステッキでも出すのか? え?」
「う~ん、そうだな。ここから……ネズミとオモチャでも消して見せようかな」
「あぁん? ネズミ? どこにネズミなんて、……!」
レッジはその時ニヤリと心の中で笑った。わずか2秒の瞬間だった。
レッジは両手を下げ、体を横にねじって男の手首をひねった。手刀を食らわして男の手から弾き落とす。男の手に痛みが走った。刹那、息が詰まった。肺が圧迫されるように重たく、視界がぼやけた。まるで曇りガラス越しに眺めているように。
気が付いた時には、男はコンクリートの上に倒れ混んでいた。取り巻きの男たちは動揺した。やたらバクバク言いやがる心臓の音を、ただただ威勢で誤魔化すだけだった。
(あ、有り得ない……)
一連の様子を目の当たりにした研二は驚きを隠せなかった。
「ね? だから、大丈夫だと言ったでしょう」
ロイは見透かしているかのようだった。ファミリーの副ボスにして、最強の守護神……。その戦闘力は並々ならず、
レッジはすかさず弾を放った。二発は取り巻きに、残りは黒塗りセダンのタイヤに撃ち込んだ。目の前の取り巻き二人は、銃を落とし恐れをなして車に逃げ帰っていった。だが、その時だった。車の男たちも次々に車から下り始めた。
「っ! 痛てぇな、おい!! ちょ、おめえら何で車から降りて……」
「いいから、逃げろ! 撤退だ。アイツにはこれ以上関わんな!」
「ちょ、一体どうしたんですか!?」
リーダー格の男が撤退の指示を出した。
「そいつ、噂に聞いたことがある。ボルサリーノ・ファミリーの名実共にNo.2。名前は確か……」
「レッジだ。以後お見知りおきを。そして、速やかな撤退を……ね?」
男たちは恐れをなして慌てて逃げていった。たった一人地に伏せた仲間すら置き去りにして。
自分を残して去っていく車のエンジン音をぼんやり聞きながら、男はようやく思い知ったはずだ。圧倒的に格が違うなーーと。
「ほらな? 消しただろう? あとはお前一匹を消すだけさ」
そう言うと、レッジは転がり落ちていた自分の拳銃を拾うと、表面のほこりを手で払い、ゆっくりと撃鉄を起こした。
「最後に聞いておく。お前らの主ってのは一体どこの誰なんだ?」
△▼△▼△▼
その頃、ハワイ ワイキキのビーチを一望できるホテルにて、BREAKの幹部による話し合いが行われていた。
「じゃあ、ボルサリーノに加担すると言うのがアンタの考えってわけか?」
褐色の日焼けした肌とシルバーチェーンのIDプレートネックレスが白いシャツの隙間から覗いている。かなりの筋肉質でスポーツマンのようながたいの良い男は睨むような目をしていた。
遅くなりました~(;>_<;)久々の更新です……




