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研二 in アメリカ

 アメリカ ニューヨーク空港にて。黒いベンツはすぐ近くの駐車場に止められた。黒いボブカットの女は短い髪を揺らしながら、そのまま空港の迎えへと出向いた。


「ナタ~シャ~!」


 ロイが叫びながら寄ってきた。大きく両手を広げて。すかさず、ロイの顔面に拳が飛ぶ。


「だ~か~ら~、アンタはいっつも騒々しいのよ、まったく!」


 倒れこんだロイには目もくれず、研二の方を向いた。


「失礼しました。私ボルサリーノ・ファミリーの一員、ナターリア・カサグランデと申します。どうぞ、よろしくお願いします。ボスからの言付けで車を用意してあります。どうぞ、こちらへ」


 研二を車の方へ促すと、ロイに向かって、


「行くぞ、女たらし」


 とだけ言った。


「そんな、冷たいこと言わないでよ~。あっ、お土産あるよ~♪」


 そう言って紙袋を差し出した。


「あら、そう。ありがとう。長旅で疲れただろうからゆっくり休んで」


 そう言うと、ポケットに隠し持っていたスタンガンをくびすじに当て、気絶したロイを車の助手席に押し込んだ。


「では、行きましょう。ボスがお待ちです」


 エンジンがかけられた。だが、その時研二たちは後ろから追跡をする男たちに気が付かなかった。


 車を走らせてから15分後、ベンツの後ろにもう3台の黒塗りベンツがつけてきた。


「ちっ! 面倒なことになりそうですね。ロイ! 起きて!」


 舌打ちをした運転手は後ろの席で伸びてるロイに声をかける。だが、未だに起きなかった。眠らせたのは彼女なのだが。


「……ったく、使えないヤツね」


 そう言った矢先、ハッとロイは目を覚ました。


「……ん? どうした?」


 まだ状況が掴めていないロイ。


「ロイ! 後ろのベンツ、空港から私たちをつけてるよ」


 運転手がバックミラーを見ながら声をかける。


「伏せろおおおおおおっーー!!」


 声をかけたロイの方が早かったであろうか、男たちが発砲してきた。男たちの手には機関銃やサブ・マシンガンらが握られている。


「ロイ、これを!」


 ナターリアが拳銃を投げた。


「おお~我が相棒よ。久しくそのツラを拝んでいなかったなぁ~」


 そんなことをブツブツ呟く。


「早く撃ってよ!」


 ナターリアと研二が一緒に叫ぶ。ロイは左の窓を全開にし、身を乗り出してタイヤを狙った。そして、コルト・ガバメントをぶっぱなしたが、タイヤはいっこうに変化しない。


「ヤツら、タイヤまでいじってやがる。おい、他の武器無い? 手榴弾グレネードとか、ロケランとか」


「有るわけ無いでしょ! ここは武器庫じゃないんだから!」


「おっ! いいもん見っけ。これ借りるよん」


 足元にあったショットガン、レミントンM870ブリーチャーを手に取る。


「ちょっ、それ私のショットガン!」


「え? いーじゃん別に」


 ナターリアの言葉を無視してロイはショットガンを手に取った。


「えーい、くらえ~!」


 次から次へとショットガンを撃ち込む。だが、相手のカーテクニックも見事なものだった。このままだったら、一般人の巻き添えも考え得る。


「30メートルくらい引き離せる?」


「わかった。やってみるわ」


 ハンドルを握る力が強くなる。そのままベンツは加速した。


「も~い~かい?」


「まだだよ!」


(かくれんぼかよ……)


 ナターリアの巧みなカーテクニックで、次々に車を避けていく。


「も~い~かい?」


「いいわよ! やって!」


「ラジャ~」


 にんまり笑ったロイは車のボンネット目掛けてショットガンのラスト1発を放った。炎が上がった1台に残りの2台が引火し、エンジンが爆発して車が炎上する。車からは男たちが慌てて逃げていく。


「た~まや~♪」


 呑気にロイは叫んでいた。三台のベンツは大破した。周囲にいた一般人はただ呆気にとられるだけだった。怪我人は彼らの中からは出なかった。

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