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ロシアより軽蔑の意を表して

・ヴィクトール・S・ローゼンフェルド:グルジア・マフィアの首領。白き夜の皇帝の二つ名を持つ。

・アーロン・イワノヴィッチ:ローゼンフェルドの部下。頭が切れる。

・グスタフ・アブラモヴィッチ:ローゼンフェルドの部下。用心棒も勤める。

・セルゲイ・ミロラドヴィッチ:ローゼンフェルドの部下。組織のNo.2

 こちらは、ロシア モスクワのクラブ・ドラゴンにて。少し暗い店内で水槽の中のの熱帯魚は鮮やに思える。黒いテーブル、革張りの客席、木目入りのカウンターなど店にはオーナーのこだわりが随所に見られる。店の奥の席ではオーナーが後ろにガードの男を伴って、浴びるように酒を飲んでいる。彼らの片手はウォッカの入ったグラスを、もう片方の手は女の太ももへと伸ばされていた。一人の男がオーナーの席へと歩み寄った。


「ボス、手紙が来ています」


「手紙~?一体誰からだ?」


「それが……ボルサリーノからです」


 部下がその名を口にすると、オーナーは笑いをこらえきれず、吹いてしまった。


「ぐははははー! ボ、ボルサリーノ? 暗黒街の帝王ボルサリーノ、アメリカ(西側)を牛耳る男がこの俺に手紙? 泣き言でも言うのか? ヤツも落ちぶれたもんだぜ。ははははは~!」


 ボスの取り巻きたちもわざとらしく声をあげていた。ここ、ロシアでもボルサリーノの名は知られている。オーナーの名はヴィクトール・スタニスラフ・ローゼンフェルド。グルジア・マフィアの首領ドン


「まあ、いい。読んでみろ」


 オーナーの近くに座っていた男が言った。ローゼンフェルドは相変わらず、ゲラゲラと笑ったまま女の脚に手を置いていた。


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 拝啓 白き夜の皇帝ローゼンフェルドへ


 既に小耳に挟んでいることかと思うが、シチリアン・マフィアの首領ドンカルロス・サーメンデスが亡くなった。現在ヤツに限らず、世界の裏社会の勢力図を書き改めようとしている者共がいる。

 彼等の名は《犯罪者の集い レコレッタ・ディ・クレミナーレ》。目的は分からないが、ヤツらの手によって我々の領土シマも荒らされるであろうことは言うまでもない。ヤツらを押さえるためにも、世界裏社会連合会《World underworld Federation》を招集しようと思う。場所はジュネーブ、日時は現地時間の8月17日夜9:00にて。参加を待っている。


 チャールズ・J・ボルサリーノ

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「このように言っていますが、いかがしましょうか?」


「ふん! 犯罪者の集いだか、なんだか分からんが仕方ない。行くとしよう。ここはボルサリーノ(腰抜け)に、そんなものごときで怯えんなって教えてやらねぇとな」


 ローゼンフェルドは静かに立ち上がった。


「外出の支度をしておけ、アーロン。お前は俺と来い。それとグスタフ、武器の用意を」


 部下の顔を一人一人見ながら、ローゼンフェルドは指示を出した。


「しばらくしたら、ここを発つ。留守を頼むぞ、セルゲイ」


 いい終えたローゼンフェルドは無言で立ち上がった。


首領ドン! どちらへ?」


 ローゼンフェルドを見た部下が声をかける。


(これは、どこかヤバイ所に行くのだろう……)


 部下の一人、セルゲイはそう思った。何せ、裏社会のトップが一同に集う会合があるのだ。武器の補充や麻薬取引、他の組織のトップ暗殺ということもあるかもしれない。だが、事実はそれよりも単純で、


「……ちょっと、腹痛くなっちまってな」


 ローゼンフェルドは小走りでトイレへと向かった。ボディーガードのアーロンも首領ドンを追って、トイレへと急いだ。セルゲイはただ、呆気にとられていた。


(これだから、ウチの首領ドンは……)

 第2章、終了~!ふぅーだいぶ長くなってしまいました(^-^;

あと、お知らせがあります!すみませんが、次週は1回お休みさせて頂きます。少しリアル事情が……(T_T)

 それと、資料を公開したので良かったら見てみてください!それと、オマケも……。では、次回もお楽しみに!引き続き本作ををお楽しみ頂けたら幸いです(*^^*)感想・ブクマ、よろしくです!

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