思惑
・ゴッティー・マスケラーノ:ボルサリーノ・ファミリーの一員。構成員
放課後、研二は帰宅した。千夏たちと共に……。というのも、最上も研二の家にいた。
帰宅後すぐにロイが外出していることを研二は知った。
(急な外出だな……。昨日は特に何も言ってなかったし。まあ、いっか)
そう思い、いつも通り家に帰宅し、自分の部屋に落ち着いた。
△▼△▼△▼
その頃、株式会社トスカーナ・リゴレット東京支社の会議室にて。スーツを来たロイがそこにいた。コンコンとノックをする音がする。どうぞ、と声をかけるとそこには東京支社の女性社員と、ダークグレイのスーツを着た男がいた。
「すいません、こちらの方が面会をとおっしゃっているのですが……」
ロイは男の顔を確認すると、
「ああ。ありがとう」
とだけ言った。
女性社員は一言、失礼しますといって去っていった。
「やぁ、しばらくだったな。元気だったか?」
声をかけたのはロイが先だった。今ここにはロイと男の二人しかいない。
「ああ、何とかな。いつから日本に着いた?」
椅子を引いて男が腰掛ける。
「かなり前だよ。連絡しようと思ったけど、さすがに今動くべきではないと思ってね」
「相変わらずだな」
「まあな。お前の方こそどうなんだよ?」
「まだバレちゃいない。今度の定例会で明らかにするつもりだ。んなことより、本題に入ろうぜ。ただ、話するために呼んだのとは違うだろ?」
男はネクタイを緩めながら言った。
「ああ。実は頼みがある。というより、上からの命令だ」
「ほう。して、内容は?」
「俺らの銃をアメリカに送っといて貰いたい」
「ああ。わかった。ナターリアに渡るようにしておけばいいか?」
「ああ、それでいい。それと、お前は俺らよりも遅く現地入りするようにと。あの方からの指示だ」
「わかった。他に用はあるか?」
「いや、以上だ。わざわざ悪かったな」
「気にするな。それより、久々に会えたんだ。一杯飲みに行こうぜ」
「俺もそれを言おうと思っていたよ。じゃ、行くか!」
二人の男はそのまま会議室から出ていった。
△▼△▼△▼
その頃研二たちは……
「山下~ これ訳わかんなくね?」
最上が研二に言う。研二の部屋では第二回勉強会 in 山下家(仮題)が行われていた。炭酸ジュースをすすりながら、研二たちは来るテストのために勉強していた。
「ああ、Σの3乗の公式か~。これは、Σの1乗の形がこうでそれを2乗した形と同じだからだから……」
研二は最上に説明していた。それほどにまで、研二の学力は上がったのだった。
「最近、研二やけに調子いいわよね? 塾にでも行き始めたの?」
教科書から顔を上げた千夏が研二に尋ねた。
「いや、別に。塾なんか行ってないけど」
(頼りになる家庭教師は居るんだけどね~)
「いや、絶対行ってるでしょ?」
否定してもまだ問い詰める千夏。
「だから、行ってないって」
負けじと反論する研二。だが、千夏は未だに信じようとしない。
「まだ、嘘つくのね。それなら……」
研二の背筋が凍る。そして、千夏と研二の口喧嘩は、最上の仲裁もむなしく、肉弾戦へと発展した。最上は覆っていた手の隙間から恐る恐る覗いてみると――当然、一方的に研二がボコボコにやられていた。
30分間くらい千夏の拷問は続いた。その後、研二はしばらく起き上がれなかった……。死にかけた研二の口からは魂が抜けていた……。
千夏と最上が帰った後、研二はロイの授業動画を見ていた。落ち着いて勉強出来なかった研二にとって、その時間は大切だった。
△▼△▼△▼
一方こちらはイギリス、ロンドンにあるビルの一室。そこは《犯罪者の集い》のロンドン支部だった。ここでまた何らかが始まろうとしていた。
テストまで残りあと1日+1日(?)――
ども!いきなり出てくる伊勢崎です。実はですね~、最近リアルが忙しいのですよ。ですが、なんとか投稿を続けたいと思います。いや、続けます(^o^;)
次回は遂にNERO計画の目的が!?
お楽しみに!