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嵐を呼ぶ男、山下研二

・竜崎吾朗:竜東会の三代目会長。少数派マイノリティである竜東会を何とか残しているものの、組織運営に頭を悩ます。

・G:犯罪組織BLACKのリーダー。犯罪王の称号をもち、「エレガントな犯罪計画をオーダーメイドで」をモットーに犯罪計画の立案や、人材派遣を行う。本名は後程登場。

 ロイから賭けの話が持ち出されてから、一夜が明けた。その日の朝、研二は雨音によって目が覚めた。夏の雨はアスファルトを濡らした。少し早くに目の覚めた研二は朝食を食べ、濡れた色の変わった、アスファルトの上を歩いて学校に向かった。

 学校では朝から台風が近づいているといったことが話題になっていた。


「……3日後にはこっちに来るかも。そしたら、学校休みになって数学のテストも先伸ばしかもね」


 天気予報を見たらしい美雪がそんなことを言っていた。城ヶ崎高校には電車で通っている生徒も多い。研二もその一人だ。台風13号の影響で交通網に影響が出るのは言うまでもないことだった。


△▼△▼△▼


 一方、研二を送り出したロイは山下家でボルサリーノに電話をかけていた。


「……あ、もしもし、ロイです。ボス、研二様のアメリカ行きですが、銃はどうしましょうか?」


「現地に輸送しておいてくれ。ナターリアを空港に迎えによこす」


 ボルサリーノは答えた。雑音から判断すると、車に乗っているようだった。この時間だとニューヨークは夕方か。だとすると、帰宅途中か、夕食のレストランへと向かう途中だろう。


「ありがとうございます。宿はどうしましょうか?」


「ああ、それなら我が家でいい。その時は運転頼むよ」


「あははは。お任せを」


 にこやかに答えるロイ。


「研二はどうしてる?」


 話題は研二のことになった。マフィアのボスといえども、息子のことは気がかりのようだった。


「今は学校ですね。テストに備え、一生懸命勉強されてますよ。私もお手伝いさせていただいてますが、とても上達が早いです」


「そうか……。ありがとう。……お前はもう大丈夫なのか?」


「……まあ、もう吹っ切れたことですから」


 ロイは静かに答えた。誰しも自分の忘れ去りたい過去を葬ることは難しい。ロイかて、その例外ではなかった。


「なら、よかった。引き続き頼むよ。あと、ゴッティーも後からこっちに来るから」


 口ではよかったといえども、ボルサリーノも内心ロイがまだ引きずっていることには気づいていた。


「ヤツのことを……まだ研二様は知らないですよね」


「ああ。ヤツのこともこっちに来たら話そう」


「そのためにも研二様を合格させないとですね」


「ははは。そうだな。よろしくな、家庭教師!」


「はい! お任せを」


 ロイは電話を切った。その後は不思議と笑顔になれた。二度と教師なんかになりたくない。そんな気持ちがあった。いや、なれなかっただろう。だが、今は少しでも早く研二に帰宅してもらいたい、研二に教えたいという気持ちが沸き上がっていた。


△▼△▼△▼


 その頃、当の研二は数学の授業に望んでいた。浩二の寝息をBGMとして……。横では千夏が必死にノートをとっている。バカ研二に目を向けるほどの余裕もないのだろう。


 研二も研二で、ロイの授業による予習の効果は研二の想像をはるかに越えていた。


 その夜もまた、研二はロイの授業を受けていた。雨が降り続き、空は雲で覆われている。だが、研二の心は晴れやかだった。ロイのお陰で自信がついた。自分でもわかるんだと思えるようになったのだった。


△▼△▼△▼


 一方のこちらは竜東会の事務所。ノートパソコンを開いた竜東会三代目総長竜崎吾朗はその画面に見入っていた。返信を待っている竜崎。SNSでやり取りをしていた。

 相手はGと名乗る人物だった。国籍、年齢、性別等は一切わからない。

 ただ、ヤツの組織BLACKはとてつもない規模を誇り、その勢力圏はヨーロッパのみならず、中東やアフリカにまでも及ぶ。EU加盟国のトップクラスの政治家までをも動かすことのできる影響力を持っていた。


竜崎:「もはや、我々では太刀打ちできません。どうか、組織の為にお力を貸していただけないでしょうか?」


G:「報酬次第だ」


竜崎:「一応、ウチの組織では2000万$が限界なのですが……」


G:「足りないな」


竜崎:「そこをどうにか……」


G:「では、別の条件を出そう」


竜崎:「別の条件……ですか?」


G:「この男の暗殺に成功したら、無償で構わない」


(こ、こいつは……)


 添付されていた写真を見た竜崎は青ざめた。すっかり血の気が引いて病人のような顔つきをしている。いや、死人に近かったであろうか。キーボードの上の手は震え、背筋が凍るのを竜崎は感じた。


竜崎:「そ、そんな……。こ、こいつは、ボルサリーノはさすがに無理です! 誰か別の人物に……」


G:「無理というのなら、諦めて死ぬかな?」


竜崎:「……わ、わかりました」


G:「期日は一週間以内だ。幸運を祈るよ」



 テストまで残りあと2日+1日(?)――

 もうそろそろ、ネタが尽きてきたので、タイトルは普通に戻します。

 いやぁ~、にしても研二本当に台風呼んじゃいましたね~。え?「んなこと知るかよ、伊勢崎は何を言ってんのか」ですと?それでは15部を読み返してくださいよっ!


 にしても、じーさん……じゃなかった、Gさん何者でしょうかね?

 やたら動きのはやいあの虫ではないですよ~。

(嫌いな方いたらすいませーん(>.<))

次回もお楽しみに~♪

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