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家庭教師のロイ

・東郷清正:木曽組五代目組長。関東に影響力を持つ。黒田とは面識がある。

 一方こちらは、山下家。現在夜12:00、研二の部屋はまだ明かりがついていた。


「え~っと、これは∑の二乗の公式だがら、分母6の形で……」


 研二はブツブツ言いながら目の前の問題に向かっていた。横には眼鏡をかけたロイの姿があった。


「……nが項数だから、答えは241……?」


「はい。正解です! だいぶ出来るようになってきましたね」


 笑顔で答えるロイ。


(本当に教えるのうまいな~)


 笑顔で笑う、この家庭教師に研二は感心していた。


「では、研二様、明日の予習も少し済ましておきますか?」


「うん! ロイの方が学校の先生より、分かりやすい」


「ありがとうございます。研二様にそう言っていただけると、私もやりがいがあります」


「でも、本当に教え方うまいよ。父さんの秘書なんかやめて、教師になったら?」


 少しからかうように研二がいった。


「いえ、私は研二様に、ボスにお仕えすることが仕事ですから。それに教師にはなりたくないのです」


「え? 何で? 教員免許も持ってて?」


 再び聞く研二。


「ちょっと理由がありましてね」


 ロイはそうだけ答えた。


「さあさあ、続きを始めますよ!」


 そう言って研二の方に向きなった。


△▼△▼△▼


 翌日、研二は珍しく寝ることもなく数学の授業を受けていた。ロイによる特別授業の効果を実感しながら。横では千夏が目を丸くしていた。その後ろでは、浩二が夢の国へと旅立っていた…。


「え~っと、おっ! 山下~! 今日は珍しく寝てないな。よしっ、65ページの問5やってみろっ!」


(ええ~……)


 まさかのご指名……。ゆっくりと席を立つと、黒板の方に歩いていった。


(あ、これ昨日やったヤツだから、∑の三乗は…∑の一乗の二乗だから……)


 自然とチョークを持った手が動いた。カリカリと音を立てて黒板の上を滑る。


「……だから、答えは466。出来ました」


 そういうと、研二は熱血数学教師(自称)の方を向いた。


「よ~し、良くできた!これでテストは大丈夫だな?」


(いやいや、そーゆー脅し行為止めて下さいよ……)


 ゆっくり腰を下ろす研二。横では千夏が研二のことを見ていた。信じられないと言うような顔をして。浩二は相変わらず、机とにらめっこをしていた。


 昼休みになってだ。研二に千夏が話しかけた。


「ねぇ、研二、今日どうしたの?いつも寝てるアンタが起きているだけでも珍しいのに。問題まで出来て。明日の天気はゲリラ豪雨か大雪かしら?それとも、台風呼んじゃうとか?」


「はぁっ?! 少し人が出来たからってそれはないだろ。あ、お前あの問題できなかったとか?」


「え、ちょっと何いってんの? もちろんできたわよ。バカ研二と違ってね~!」


「ふん、今日からはバカ研二などと呼ばせないぞ」


 ドヤ顔をして見せる研二。


「調子に乗るな~!」


 すぐさま千夏のグーパンチが腹に飛んだ。すっかりKOされた研二は腹を抱えてしゃがみこんだ。お決まりの鉄血制裁がなされた。


△▼△▼△▼


 その頃、関東地方最大勢力のヤクザ、木曽組の事務所では組長、若頭などの幹部、そして黒田忍を交えた話し合いが行われていた。


「お久しぶりです、組長」


 深々と頭を下げながら黒田が言った。


「おう、龍か。元気にしてたか?」


 龍とは黒田の二つ名だ。背中の入れ墨が龍であることに由来する。


「ええ、まぁ。ところで、いい話があるのですが……」


「ほお、手土産にしちゃあ、珍しいな。まあいい」


 男は黒田の目を見た。


「んで、その話とは?」


「はい。今中国に私の身内が大量の武器を持ち込んでます。それを格安の値段でと思いましてね」


「ほう。で、武器とは?」


「AK47を30丁、MP5SD3が12丁、コルト・ガバメントとデザートイーグルがそれぞれ30丁といったところですかね」


 MP5は割と新しい短機関銃だ。にも関わらず、短機関銃としては世界で最も使われている信頼性のできるものだ。AK47はMP5に比べると古いが、確かな信頼性がある。どちらも、抗争時には大いに役立つものだった。コルト・ガバメント、デザートイーグルはともに拳銃だが、拳銃としての威力は申し分ない。何より、このような信頼性の高い武器が手に入ることはヤクザにとっては、好都合だった。


「うん、悪くねぇな。して、価格は?」


 すると、黒田は組長の耳元でささやいた。驚いた目で黒田をみる組長。


「龍、おめぇ本当にいいヤツだな。その取引、喜んで受けよう」


「ありがとうございます。しっかし、その見返りと言っては何なんだが、2つばかり頼みたいことがありましてね」


「ほう。関東にその名を知らしめた龍の頼みとは?」


「それでは……」


 黒田は向き直って言った。



 テストまで残りあと6日――。

 今回のタイトルは、家庭教師のト〇イを意識してつけてみました(^^)

あと、ロイの眼鏡は伊達ですw悪魔でも雰囲気をと。


 さてさて、なんかアブなそうな人達出てきましたねぇ~。取引の条件とは……?お楽しみに!

 外伝もよろしくお願いします!ブクマ登録など、ぜひお願いします! (≧∇≦)

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