パラレルワールド2 渡
歩き始めた俺と漆は、その塔が一体なんなのかを考えていた。
「お前はなんだと思う?俺がみた塔。」
「だからそんなものまず無いんだよ。お前の見間違いだって。」
「だからそれがあるかないかの前にそれが何かを考えようぜ?」
「普通は逆だろ。なんであるかないかも分からない物を何か考えないといけないんだよ。まずその何かがあるかないかから考えろよ。バカかお前は。」
「ああ、俺はバカだ!」
自称しやがった…
「別にそんなの後で考えれば良いじゃねーか!俺はそれが何か知りたいんだよ!」
「塔自体が存在しなかったらその考えることが意味がないだろうが。」
「知るか!そんなもん!!」
逆ギレされた…
そんなくだらない会話していたら目の前の地面が割れていて、向こう側と離れていた。
が、同時に目の前に橋があった。
割れた地面はざっと5メートル
ぐらいで、深さは分からない。少なくとも飛び越えようとは思わない距離と深さだ。
「よし、飛び越えるか!」
「橋を使え!」
「違う、これは俺のチャレンジだ。」
「違う、これはお前の自殺行為だ。」
「仕方ないな、橋を渡ってやるよ。」
「お前はわがままだな…」
っといっても、実はこの橋を渡るのも危険で、一度渡ってしまえばすぐにでも潰れてしまいそうな状態だった。
橋の素材は木製であり、こちら側から向こう側に長い板が今にもちぎれそうなロープで支えられているだけだった。
「さてどうするか、普通に渡ってもいいがかなり危険だぜ?これは。」
「それぐらい分かってるよ。確かに危険だが向こう側に行けるならそれでいいだろ。」
「そりゃまぁな。」
そう言って俺たちは何も後先考えずに橋を渡りはじめた。




