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職場の癒しと彼女の好きな人

「佐々木ちゃん、良かったらコーヒー入れて欲しいなー?」


「またですか、新さん。新人さん使ってくださいよ…はい、どうぞ。」


「僕は君の入れたコーヒーしか飲まないよ。」


ちょっと赤くなりながら彼女は俯く。でもすぐに寂しそうに眉を下げる。


「気に入ってもらえて何よりです。」


僕は彼女の上司。あまり歳が変わらないおかげか彼女とは親しくできている。彼女は職場の癒しであり、要でもあった。

新人には丁寧に接し、上司や顧客にはにこやかに対応できる。そんな彼女が僕らは好きだ。何人かは彼女に交際を持ちかけようと狙っているが、僕がいることを忘れてもらっちゃ困る。

今はまだ、彼女が僕だけを必要としていない。


「佐々木先輩〜!」


「はーい、今行くから待ってね。さ、新さんそれ飲んだら仕事ですよ。」


「残念、もう少し佐々木ちゃんとお話したかったな。」


「そういうのは可愛い子に言ってて下さい。」


だから、もう少し職場のみんなと彼女を愛でてから外堀を埋めて、僕だけを必要とするように大切に大切にしてあげる。


「佐々木ちゃん可愛いじゃないか。ん、コーヒーも美味しいよ。」


「…はいはい」


そんな顔しなくても君が僕をそういう対象に見てくれているのは調査済みだよ。さぁ、早く僕に堕ちて。





















そんな、余裕をかましていたのがいけなかったのかもしれない。結果、僕は彼女に本当の気持ちを伝えられずに彼女は居なくなってしまったー…

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