とあるRPG好きは勇者に問う
僕は架那汰。RPGが無いと一日ブルーになる学生だ。僕はRPGの中でも物語性のあるものが好きでユーリュシュフィアたんが出るゲームもそのひとつだった。彼女の設定は淫魔だった。人間に化けて勇者に同行する、エロハプニング要員であった。
「美人だなぁ。でも裏切るのか…。」
攻略サイトには勇者一行に自分の正体をバラすとあった。そうなるともう勇者の隣にはいられないだろう。軽く、僕は考えていた。
「…っ!!」
物語が進み、正体をバラすシーンになり僕は涙を堪える。彼女が裏切るのは勇者ではなく魔物の方で、守った勇者に彼女は酷く犯されたあと八つ裂きにされる。
「勇者…っ勇者!!何故、何故!!」
彼女を殺した張本人は英雄と讃えられ、仲間であった王女と結婚。罪悪感を感じている素振りは全くない。
このゲーム会社は他にもRPGを作っていたので僕はちょっとした期待を込めて電源を入れて、また勇者に問う。
「…何故、彼女を殺した…っ!!」
今回の彼女は何もしていない。ちょっと勇者に淡い思いを抱いただけなのに。
報われない彼女を思って過ごしていたら僕の同志がスレをたてた。
僕は彼女を幸せにしたい。むしろ嫁。
彼らは僕が思っていた以上に僕と同じだった。