転生者 ディラン Ⅰ
オレは隼人であったらしい。ぶっちゃけ本当に前世のことかどうかわからないし、どんな時に死んだのかは覚えていないし、どんな友人関係があったのかもおぼろげだ。そんなある日…オレが7歳の時に隣の家に女の子が生まれた。
「ディランくん、この子はねユーリュシュフィアっていうんだ。」
にこにことしながら話しかけてくれるおばさんの腕にはすやすやと幸せそうに眠る彼女の姿があった。
「…?」
よくわからないがこの子を守らなければいけないような気がしておばさんに頼んで抱っこしてみることになった。赤ん坊というものはなかなかに重いものだと思いだした。…思い出した?
(…なんだろうか、このもやもやした何かは。)
もしかしたら、オレは本当に隼人という人物であったのかもしれない。この腕の中で眠る暖かな命が大切だと感じるのもそのせいなのかもしれない。でも、
(オレはオレだ。たとえこの記憶が本当だとしてもこの気持ちはその記憶のせいなんかではない。)
「ユー、よろしくな。」
「…すぴょー」
「くくく、なんだ、それは返事か?」
話しかけると起きていないはずの赤子はへにゃっと笑い、変な寝息を立てながら腕を上げた。この子は、やはりオレが守ってやろう。
「お、もう仲良くなったのか、さすがは私の娘。ディランくん、いくらかわいくてもまだあげることはできないからな!」
「何を言っているんだお前は…」
「おや、ディートハルト。私は娘を君のうちに嫁入りはまだ早い!って言っていただけだが?」
「うちの息子はまだそこまで考えられる年齢じゃねぇよ。」
父さんとおばさんは幼馴染だそうだ。なんでも、うちの母さんと父さんを結婚させたのはおばさんとその旦那さんなんだとか。そのうち旦那さんにも挨拶しにいきたいところだな。
「…ユー、君に祝福あれ。」
「ふにゅ…」
「…次は起きてその目を見せてくれよ。」
ディランは最初転生前の記憶があいまいでユーリュシュフィアが大きくなっていくごとに記憶を思い出していきますが記憶に引きずられることはなく、ただ純粋にユーリュシュフィアにひかれていく感じになるといいなぁ…←
≪ゲームのディラン≫
不愛想な教師。主人公のおっちょこちょいなところを見ていられなくなりいろいろと指導していくうちに打ち解け、心を開いていくようにはなるが教師として真面目な故になかなか恋心だと認めない攻略対象。




