7、大波乱ショッピング
純粋なギャグです。
「食糧が尽きた」
っつーことで、地球に来て三日目、用意していた食糧が底を尽いたので183は朝飯抜きである。
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5月6日、つまり地球に来て三日目、食糧を大量に手に入れるため、
「近くのスーパーに買い物にでも行くか」
ということになった。
勿論シリウスひとりでは、182人分の食糧を持って帰れるはずがない。(あと一匹の食糧は枯葉なのでそこら辺から取ってって)
「おい、誰か荷物持ちとしてついて来い」
それに真っ先に反応したのは魔術師である。
「行く行く! つれてって!」
それで真っ先に逃げ出したのは戦士である。
その次に飛び込んできたのは僧侶。
「俺も行きます!!」(鷲)
「じゃあ私も行きましょうかね」
勇者も反応して来た。
更には、
「私も行きますよ。美しい食糧を買い漁りましょう!」
「貴様はいらん、と思ってたが、案外使えそうだな」
ベガまでもが首を突っ込んだ。
「俺も行くZE☆」
「なら俺も行こうか」
「私も行くか」
「俺様も行くとしようか」
衛星たち13人も加わり、合計18人の大家族(?)でのショッピングになる。
「それでは行くとするか」
「あれ、シリウスさん、お金は?」
「心配するな。地球(の中でも日本)通の若者に2000億円貰ったから」
「それ結構な金額ですよ」
かくして、シリウスたち18人は大金を持って近くのスーパーに侵攻することとなった。
*
スーパー内での様子。
「わあ! 見たことのないキノコが置いてある! シリウス、これって食べられる?」
「売ってるものなら食べられるんじゃないか?」
「細長い形の魚もある!」
「どうでもいいから少し離れろ。そして二度と私に近寄るな」
というわけで魔術師とシリウスのグループは大変そうだった。正確には魔術師とシリウスとベガのグループなのだが。そんなわけでシリウスは心の中で必死に叫んでいた。
「(このメンバー嫌だ!! 誰かこいつらをどうにかしてくれ!!)」
シリウス好きの魔術師はベタベタくっついてきて、美しい物好きのベガは「美しい! 美しい!!」煩いのである。傍から見れば変人だ。(だがシリウスは被害者だ!)
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二階の調味料のコーナーでは、勇者と僧侶と衛星たちが占領していた。「数量的にバランス悪いな」
「見てくださいよアルキオネさん! 【胡椒】っていうものがありますよ!」(鷲)
「それ多分辛いヤツです」
「おーい、【酢】っていうのもあるぜ」
「それは多分酸っぱいヤツです」
「【にがり】もあります」(鷲)
「あれ?調味料のコーナーでしたよねここ」
「【昆布】って何だ?」
「(何かおかしい気が)」
「【チョコレート】なるものがありましたよ!!」(鷲)
「調味料のコーナーを見てくださいよ!!(さっきからおかしいとは思ってたけど)」
そんなもんで大波乱のショッピングであった。
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帰り道、さすがに18人もいたため、ひとり分の荷物は大分軽くなっている。といっても、
「待て、何故こんなにも荷物の量のバランスが崩れている?」
荷物の量が一人一人明らかに違う量であった。
「重い。誰か手伝え」
一番荷物の量が多いのはシリウスで、その次が勇者。衛星の皆さんはなかなか軽く、僧侶と魔術師に関しては手ぶらである。
「貴様ら、これは何かの嫌がらせか」
「楽ですね」(鷲)
「貴様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
家に帰って来た時にはシリウスの体力も魔力も尽きていたという。