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全星空の大戦争  作者: 54
一章 プロローグ
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5、プロローグ5「大破したため落下してますが」

今回もギャグ少なめ。何かだんだんコメディーが書けなくなってきました。


寧ろ今回は結構うざい話。というかつまらない話。

 三日後、183体の生き物はシリウスの家の近くに集合した。相当な数である。


「接近しているブラックホールはこの惑星を飲み込むだろう。そのため、今から地球へ避難する。その他の詳しいことは後だ。まずは、このロケット的なものに乗り込め」


 いつまでもロケット的なものと書いていては面倒くさいので、以降はプルート号と称する。


 シリウスたち183体は、プルート号に乗り込んだ。中も広い。


「操作しなくとも、勝手に地球へ向かってくれるから安心だ」


「でも、着陸の時どうするんですか?」


「ああ、着陸の時は、プルート号ごと破壊されるから大丈夫だ」


「大丈夫じゃないじゃないですか!! ごと、って付いてる時点で危険ですよ! 私達も破壊されるみたいな!!」


「あまり大きな声を出すと酸素が切れるぞ」


 プルート号は轟音を発して離陸。慣れてない183体は、鼓膜が破れるかと心配しているだろう。


 プルート号は十分もせずに宇宙空間へ投げ出された。「投げ出された!?」


「今、宇宙空間に出た。ここまで来たらもう帰れないぞ。

で、ブラックホールはそのうち惑星を飲み込む。私達の惑星だ。悔しくないか? 私達には何も出来ないんだ。貴様ら、悔しくないか?」


 各自が顔を見合わせる。


「あくまでも私の推測だが、ブラックホールは何故だか知らんが軍を従えている。あれなら私達にも潰すことはできる。つまり、

いずれ、私達も軍を結成する予定だ」


「何だそれ!!」


「聞いてないぞ!!」


 騒がしくなる。いままで二億年の平和の中にいて、戦いというものが忘れられていた。


「待て待て。私達は今まで、平和の中で暮らしていた。だが、最初は戦乱の世だったんだろう? 殺伐とした世の中だったんだろう? そうじゃないのか」


 各自がまた顔を見合わせる。


「貴様らには惑星の住民としての誇りに欠けている! 惑星の住民だというなら、命を惜しむな!!」


 その言葉を聞いて、182体の生き物も盛り上がりを見せる。全く、わけの解らんテンションだ。


「そうだな。俺達の惑星だ」


「戦ってやろうぜ!!」


 全く、単純な生物だ。「まーそりゃそーだろけど」


 とにかく、目的はブラックホールが従えていると思われる軍の掃討、それからブラックホールの破壊だった。「随分でかい目標だな」


「とは言っても、ブラックホールが惑星を飲み込むまでの一ヶ月間で軍が成長できるとは到底思えん。ブラックホールが惑星を飲み込んでからの軌道を見ないといけない」


 そう言ってシリウスが取り出したのは、小型の望遠鏡のようなものだった。


「これは本当に高性能で、6000億光年先まで見ることができる。地球から私達の惑星までの距離は大体5999億光年だ」


「おい待て! 地球までの距離が5999億光年ってんなら、ここから光の速さで5999億年かかるってことじゃねえか! そんなに待てるか!!」


「安心しろベテルギウス。このプルート号は非常に高性能で、世界初の光の1兆2000億倍の速さで動くことができるロケット的なもの、と称されているくらいだ。だから半年で地球に着くぞ」


「何だそれ、滅茶苦茶な設定だな。ってそれどころじゃねえ!! そんな速さで俺達も移動するってのかよ!! 体がもたねえよ!!!」


「大丈夫だ。Gと呼ばれる目に見えない力は、全て機体によってシャットダウンされる。ただ、多少の揺れは感じるがな」


「こいつマジで信用できねえ」


 とりあえずシリウスはベテルギウスの信頼を得ることができなかった。


 突然、プルート号のスピードが上昇していく。機体が大きく揺れた。


「おあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


 プルート号は宇宙旅客機から絶叫マシーンへと変貌し、勇者達四人(特にアンタレス)を絶望に陥れた。


「ぎぇぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」


「ひぃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」


「びょぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」(鷲)


 機内は悲鳴でいっぱいだ。搭乗客の何人かは耳を塞いでいる。


「これが半年も続くんですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


「降ろしてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」


 シリウスはそれを笑って見ている。


「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」


 今日一日中はこのような悲鳴がずっと続いたという(笑)。



 *



 次の日になったと思う。「思うって何!?」


 やる気なし四人組の悲鳴はすっかり止まった。


「慣れてきましたね」


「さすがにな」


「さげびすぎでのどがいだい」


「いい加減に疲れましたし」(鷲)


「貴様ら、昨日あんなに叫んどいて、今日になって何の支障もないじゃないか。アンタレスを除いてだが」



 *



 あっという間に半年経った。「早っ!! これまでのプルート号機内での楽しい日々は!?」


「何か変な音しない?」


「それより、地球が見えてきたぞ」


「だから変な音」


「おおっ! すごい速さで近付いてる!!」


「変な音」


「地球ってこんなに青かったのか」


「ちょっと! 私の話聞いてよ!!」


 プルート号が自動で速度を緩め、地球の大気内に入る。すると、


ドガァァアァァァァァァンンンンンンンンン


「ぎゃぁぁぁ!!! 何ですかこれぇぇぇ!!!」


 プルート号が真っ二つに裂けた。それから爆発。爆発魔法に慣れている搭乗員達+農夫&ミミズは、なんとかして爆風を避けることができたものの、何せここは地球。地球の重力に従い、搭乗員達は地球の地面に向かって落下していった。

プロローグ終了。やっと終了。


 ところで、質量を持つ物質は光の速さで移動することができないそうです。そのため、ロケット的なものが光の速さを遥かに上回るほどの恐ろしい速さで進むのは現実的に考えれば155%ありえません。

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