外伝 巨竜災害
とんでもなく短い馬鹿話です。
富士山中腹、毀軍陣営。月が頂点に昇ったころ。
「シェアト様! トゥバンが口を大きく開き始めました!!」
「何だと!? いかん、全軍、トゥバンから離れろ!」
「一人が転び、逃げ遅れそうです!!」
「そいつは放っておけ!」
この竜、でかいだけあって攻撃や行動のスケールも大きいのだが、それが仇となることも多い。その一番解りやすい例として、
「ぎゃああぁぁぁ!!!」
「シェアト様! 重傷者が一人出て、環境への被害が木78本の消失、地面1メートル半が抉れました!」
「いつにも増して被害が大きい! やはり山は危険だったか!」
竜の欠伸が挙げられる。正面に風の刃を巻き起こし、存在するものを破壊しつくすのだ。他にも、くしゃみをすると正面に嵐が巻き起こる、というのもある。それが竜を一般人が飼ってはいけない理由のひとつでもあった。
「シェアト様! トゥバンが寝ました!」
「何!? いかん、全軍、直ちに退避せよ!」
体が大きい分、鼾も大きくなる。それがどのような問題を引き起こすというと、もう騒音というレベルではない。音の振動が空気を震わせ、一定範囲内に存在する全てのものを滅ぼす。大昔、トゥバンよりも大きいとされる竜が、惑星をひとつ滅ぼした。そういう伝説もあって、竜を飼うには免許が必要となっている。
ちなみに余談だが、毀軍の将校は、ほとんどが竜の飼育免許を持っている。持っていないのはフェルカドやガーネットくらいで、実はギェナーが免許を持っていた、何てことも普通にありえるくらいのレベルだった。
と、そんな話をしているうちに、地平線の辺りが明るくなっていく。
「シェアト様! もうすぐ朝です!」
「毀軍の夜明けは近い! 皆の者、俺に続けぇ!!」
「「おおぉぉぉ!!!」」
毀軍も妙にテンションが高いな。負のオーラを纏っている星軍とは大違いだ。
さて、次はどんな戦乱を巻き起こしてくれるのやら。




