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全星空の大戦争  作者: 54
一章 プロローグ
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3、プロローグ3「危機」

やっと話が進む。が、問題は某のネーミングセンスである。


ちなみに、今回の話に出てくる世界の創造神とやらは、某のことでは御座いませんので。まあそのうち詳細が明らかになってくることでしょう。

「貴様ら、いい加減に帰れ」


 とは言うものの、朝になってもシリウスは勇者達を追い出そうとしなかった。言っていることと行動がいまいち噛み合わない。


「と言っても、こいつらを帰したところで、昼にはまた押しかけてくるに違いないからな」


 それが勇者達を追い払わなかった理由だった。



 *



 5時20分頃、勇者が急に話を切り出す。


「地球に移動する、と言いましたね。地球は地球でも、地球の中のどの国に行くつもりですか?」


「ああ、その話はもう決まっている。日本だ」


「日本、ですか。私は一度も行ったことがないので解りませんが、その国、大丈夫、ですよね」


「知らん」


「あ、知らないんですか」


「あっ、この世界の創造神め、また神の権限とやらを使って私に適当なことを喋らせたな!」


 シリウスが部屋内にある地の文スピーカーに向かって叫ぶ。だいじょーぶですよー。そちらの声はぜーんぶ聞こえてますからー。


「くそ! この野郎! 後でぶっ壊してやるからな!」


「落ち着いてくださいシリウスさん。それよりも、地球に移動するためには地球人の名前が必要ですよね。それも、日本人の名前が」


「そういう設定も考えなければいけないのか。面倒くさいなこの話」


「大丈夫ですよ。名前も姿も、その他色々と面倒くさいことも、作者が全て手配してくれますから」


「そうだといいな」


 勇者たち五人の姿はあらかじめ、地球に住む人間とほぼ同じ形そして同じ造りにしておいたため、変に改造する必要もない。ただ、問題なのは名前だ。


「話の内容を考える前に、まずはそれから考えろよ」


 まあ、俺は用意周到なため、話を書く前にもう既にお前達の日本人ヴァージョンの名前を用意していたわけだがな。がっはっは。


「威張られても困る。早く名前をくれ」


 解った解った。じゃあ直接言わないで、勇者達に喋らせるよ。


「ということで、名前を考えましょう」


「てきとーでいいんですよねー」(鷲)


「実際に居そうな名前にしてくださいよ」


「じゃあ俺は吉村よしむら 嘉助かすけとかどうだ?」


「いいんじゃないですか?」


「じゃあ私はあかつき しいななんてどう?」


「いいんじゃないですか?」


 少し悲しい名前のような気もするが。秕とは、殻ばかりで実のない米のことである。


「じゃあ俺は、鷲澤わしざわ 慈宇じうとか」(鷲)


「…。微妙。その名前で通るかどうかも微妙。通ったら逆にすごいですよ」


「じゃあアルキオネさんはどうなんですか!」(鷲)


「私は無難に、岡村おかむら 正士まさしで行きましょう」


「いや、簡単すぎだろ」


「じゃあ今度は、シリウスさんの名前を」


「なんか犬が付く名字または犬が付く名前」(鷲)


「何で犬なんだ」


「大犬座だからじゃないですか?」


「大ボケ僧侶の名前はともかく、何で私の名前まで元ネタの方に引っ張る?」


「どうでもいいんで適当に決めます」


 勇者達は適当に考え始めた。


白石しらいし 瀬鈴せりん(呟くように)」


 残念だが、その適当な発言はシリウスに聞こえていたようだ。


「待て。その台詞に悪意を感じるのは私だけか?」


「え? 何か言いましたか?」


 シリウスは耳が物凄くいい。鼻もそれなりにいいが、耳もいい。まさに犬だった。まあ、それは置いといて。


「どうして私はアミノ酸っぽい名前なのだ」


「え? そのようなことは言っていませんが」


「あっ!!」


 シリウスは、部屋に置かれた地の文スピーカーに向き直った。


「貴様か!! 貴様がこうなるように仕向けたんだな!! この野郎!! 粉々に破壊してくれる!! このような脆弱な機械など、粉砕してやるぅぅぅぅぅ!!!!!」


 地の文スピーカーはシリウスの最上級魔法をまともに至近距離で食らって、跡形もなく壊滅した。別に壊れたからってどうってことないんだけどね。お前らの悪口を言いまくれるぜ。シリウスのバーカ!うひゃひゃ!


「シリウスさん落ち着いて!!」


 勇者が止めようとするが、当たり前だが間に合わなかった。地の文スピーカーごと壁に大穴が空いたのだ。


「神の意のままになってはいけません!! 仕方ないです。創造神が寄越しやがった名前を使って地球に移住しましょう」


 結局、そういうことになった。それ以上の争いは起きなかった。争いといっても、明らかにデモに近いが。



 *



 午前10時、城下町の崩壊。「一体何があった!?」


 勇者達は再び、シリウスの家に集合することとなる。


「話が違うじゃないですか」


「何の?」


「一ヵ月後と言いましたよね」


「一ヵ月後はブラックホールに飲まれる時間」


「…」


 勇者達は、別に騙されてもいないのに、騙された感を覚え、ずっと黙っている。


「あの謎の軍隊によるものだよ」


「じゃあ、ここも長くは持たないかも知れないって!?」


「残念だが、そういうことだ。来週までにはここを発つ。準備はしておけ」


 そういうことだ。残念だったな勇者達よ。こうでもしないと話が進まんのでな。あっはっは!

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