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全星空の大戦争  作者: 54
三章 軍が早速崩壊しそうなのだがこれはどういうことなのだろうか
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18、大か小かダイヤか

「いいか? 貴様はまだ軍に入ったばかりだ。身分は低い。この軍での総統はアルキオネ、軍師は私だ。いいな?」


 レグルスは頷く。朝っぱらから24歳のいい大人が14歳の子供に一体何の理不尽(というほど理不尽でもないような気もするが。)を押し付けているのか。


 5月21日、レグルスの人格は完全に回復する。


「いきなりだが、貴様からは特別な魔力が感じられる。貴様は何か特別な能力が備わっているのではないのか?」


 傍から見ればただの厨二病患者である。が、こいつらのもといた惑星には実際に魔術というものが存在していたため、彼らは何の違和感も覚えていないし、あくまでもマジで言っているわけである。……、ここまで言っても軍師が怒らないのは、彼が消滅魔法を使ってこの世に存在する全ての地の文スピーカーを消滅させたからである。


 余談だが、消滅魔法の仕組みは、単にその物質を完全消去するというものではない。そんなことをしてしまったら世界の、いや宇宙の物質の質量のバランスが狂い、どうにかなってしまう。どうにかってどういうことかよく解らないが。まあとにかくどうにかなるのである。で、消滅魔法では、物質の質量を変えずにそのものを消滅させる。つまり、物体自体を原子レベルまで分解してから違うものに作り変えるのだ。(当たり前だがそんなことをするのには膨大な魔力がいる。)だが、大抵は作り変えるのをめんどくさがり、適当に原子をくっつけてその場に撒き散らすことが多い。使う魔力を多くすればちゃんと作り変えて別の場所に転送して捨ててくれるのだが。というように、消滅魔法は非常に面倒くさい魔術なのである。


 ……、話が長引きすぎた。ひとまず、軍師とレグルスの会話に戻るとしよう。


「特別な能力、ですか。はい。ありますよ。人の性格を、動物を通して見ることが出来る、いわゆる動物眼です」


 動物眼とは、レグルスが言ったとおりである。つまりは人の性格を知ることができる眼である。


「ほう。だから貴様の目は黄色になっているのか」


「多分そうだと思います」


「……そこ乗るんだ」


「あ、すみません。冗談の通じない人で」


 話が脱線しだしたので、とりあえず海の景色に目を向けてみる。うむ。なかなかいい。静かな波。さざ波の音。そして何よりも、灰色の水。まだ軍師が空間断絶魔法を解除していないのだ。忘れてるのだと思うが。


 何か大切なものを見落としている。あれだ。海の向こうに見える、何か透明なもの。迫ってくる。


――彼らが気付いた時には、もう遅かった。陸に上がっていたのだ。


「……何あれ」


「さあ? 何かダイヤっぽいけど」


「でも動くよ。動くダイヤなんて見たことない」


「まあとりあえず戦いましょう」(鷲)


 人間と動物以外で動くものを見つけたら戦いたくなってしまう元勇者パーティは、学者以外は武器を取り出して戦闘を始めた。これ一種の職業病だよな。


 学者はまず軍師を呼び、村中で暴れまわるダイヤっぽい球体の生物の鑑定サーチをしてもらった。


「うん。体が100%ダイヤでできている」


「何その面妖な生物」


「知らんが、空間断絶魔法を長く使いすぎたから、何かこの世界のシステム的なものがストップをかけようとしているのだろう」


「待ってくださいよ。今、『空間断絶魔法を長く使いすぎた』って言いましたよね。今も発動してるんですよね。だったらどうやってレグルスはここに来たんですか」


「空間断絶魔法が使われる前から三宅島周辺の海にいた可能性が挙げられるな」


 いいから戦え。村が破壊されてるぞ。


「とりあえず、今はこの魔物的なものを抹殺しましょう」


 それ元勇者の言う台詞じゃないよね。


 総統たちは、剣や槍をぶつけて攻撃しているが、全く効かないようだ。それもそのはず、ダイヤなんかを斬りつけたって割れるわけないだろうが。突くなら効果あるかも知れんけど。


「何だコイツ! 物理攻撃が全く効かないぞ! もしかして≪ぼうぎょ≫の値が高いのか!?」


「多分そうです。≪とくしゅ≫技を使えば倒せるんじゃないですか?」


「≪とくぼう≫も高いかもしれないんだぞ!?」


「その時は猛毒状態にでもさせて勝手に死ぬのを待ちましょう」


 別世界の話をしていても魔物は倒せないぞ。そのうち捕まえるとか言い出しそうだ。


 と、そこで、炎が上がった。魔術師が放った火らしい。


「ダイヤは炭素の塊。火をつければ燃えてなくなるって知らない? ってシリウスが言ってた」


「イコールお前は知らなかった。そういうことか?」


「……」


 化学の分野はボロボロな四人であった。つーかせめてダイヤモンドの原料とかは知っとけよ。平均年齢22.5だろうが。


「まあとりあえず、火は効くというわけだな」


「効果抜群ですね」


 戦い方を知った総統たちは、出来る限り火を使って戦っていた。


「……なあ、マッチの火だともみ消されないか?」


「だ、大丈夫ですよ。多分」


 総統がマッチの火をダイヤ的生物に投げつけた所、地面を転がり回られて消されてしまった。まあ当たり前だな。


「あ! 民家に突っ込んだ!」


「火を! 火を用意しろ!」


「投げた火で民家が燃えました!」


「何やってんだ!」


「と、とりあえず殲滅魔法で」(鷲)


「それはやめろぉぉぉ!!!」



 *



 夜になってやっと、ダイヤ型の面妖な魔物は鎮められた。


「結果、空間断絶魔法をかけたままほったらかしにしていると、まずいことになることが解った。よって、これ以降は余程危険なときでないと使わないことにする」


 そうして、軍師の空間断絶魔法は解除されたのである。

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