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全星空の大戦争  作者: 54
二章 地球は本当に地獄であった
16/62

15、さて、次の準備に取り掛かるか

説明的要素多め。

「シリウスさん! 目を覚ましてください!」


 シリウスは身体を起こす。


「……、ん、……? 何故……、もしかして、私は」


「戦争の途中で倒れたじゃないですか。煙を深く吸ったんですよ」


「…………、ああ、一酸化炭素中毒、か」


 民家がいくらか燃えた。村民が最後の最後まで足掻き続け、ついには家に火を放ちだした。


「あそこは人が密集してましたから、酸素の割合が低くて木材も不完全燃焼しちゃうんですよ」


「でも、私はこうして助かった」


「危険をいち早く察知したベテルギウスさんが、撤退令を出したんです。何人か中毒を起こした人もいますが、皆助かりました」


「…………………………、そう、か」


 とりあえず、村民の駆逐には成功したようだ。とんでもない魔術(殲滅魔法)を使用して滅ぼしたとか。主に僧侶だな(笑)。


「村民は? 生き残りはいるのか?」「いません(キッパリ」


「……、即答かい」


「アルタイル君の殲滅魔法で村ごと壊滅させましたから」


「待て。突っ込みどころが多すぎる。貴様いつから人の名前に≪君≫をつけるようになったんだ。あと何故に村ごと壊滅させたし。村へのダメージはなるべく減らせと事前にいっておいただろう」


「それがあの人、暴走しまして」


「へえ。で、止められなかった、と?」


「ええ。一人で無双してました」


「どんだけ俺TUEEEEEEEEE!したかったんだよ」


「解りませんけどとにかく無双乱舞センメツマホウぶちかましてました」


「困った奴だな」


 これだから僧侶は困る。


「ですが、島は手に入りました。山には木材もたっぷりです。まるでバケツのプリンのごとく存在しています。資材たっプリンです」


「物凄い喩えだな。なんだかプリンが食べたくなってきたぞ」


「今すぐにでも作れますよ。材料を強奪してきましたから」


「いやいや冗談! プリン食べたくないから! 作らなくていいから!」


「何なんですか」


「もう何でもいい」


「じゃあプリンでいいですよね」


「その話はもう終わった!」


 終始滅茶苦茶な会話を終え、シリウスと勇者は一度、村長の家によることにした。ちなみにさっきまでの舞台はボロ小屋である。


「で、村長も殺したのか?」


「はい。いつの間にか消えてました」


「サラッと言うな! 一番重要なことだぞ!」


 そしてどうでもいい話だが、実は空間断絶魔法がまだ解けていないのである。術師が解除するまで空間は断絶されているという誠にカオスな魔術である。つまり効果時間は半永久。困った魔術だ。


「お、ここが村長の家ですか」


「そうっぽいな」


 更にどうでもいい話だが、まだ空間断絶魔法が解けていないことにより、空の色が全く変わらず、昼と夜の違いが微塵も解らないのである。太陽が出ているのが昼なのだが、太陽の輝きは錆びた鉄よりも劣り、空を見上げないと太陽が出ているかどうかなんて解らないもので、例えその違いがわかったところで微塵レベルにも到達できないのである。


「さて、中に入ってみるとするか」


「中にはすでにベガさんとアンタレスさんがいますよ」


「……、何か嫌だ。入らなくていいか?」


 超絶を超えるほどどうでもいい話だが、こいつら、ステータスの限界と言うものが全くないため、そんじょそこらのRPGとは違って、訓練さえしていればいくらでも強くなれるのである。だが、いくら強くなっても死ぬときは死ぬ。つまり、地球の人間が死ぬような毒が体内に入れば間違いなく死ぬということだ。それは外傷も例外ではなく、さすがに頭蓋骨かち割られて脳を引っ張り出されたり、頚動脈とかそんな感じの太い血管ごと体斬られたら終わる。そのくせして魔術とかいう面倒臭いシステムまである。物質爆破魔法で頭部爆破されたら死ぬだろ。空間転移魔法の失敗によって首だけ残されてどっか転移してもダメだろ。要するに、死ぬときは死ぬ、ってことだ。


「入らなければ話が進まないので、ここは強制移動で」


「あ! 待ってくれ! まだセーブしてない!」


「大丈夫ですよ。建物に入ったときにオートセーブしてもらえますから」


「道具揃えてない!」


 んでもってどうでもいい話だが、各人物には、その人に合った役職がある。例えばシリウスだったら軍師が向いているだろう。ここでふざけて将校とか言う戦闘専門の役職に就かせてしまうと、体力の部分にあたる能力値の低いシリウスは簡単に殺されてしまうだろう。シリウスは魔力に長けているため、他に軍師にしたいヤツがいて、「どうしてもシリウスは軍師にはしたくない! 死んでも嫌だ!!」てな感じなら薬剤調合師にするといいだろう。アルキオネの場合は戦闘力、知力含めていいところが全くないため、もういっそのこと総帥にしてしまったほうがいい。だがその場合は軍師とかの高い役職の人物がカバーしなければならない。そのため軍師はなるべく優秀な方がいいのである。例えばシリウスとかね。将校だったら戦闘力の値が高い方がいいに決まってる。八賢者の皆さんはあまり戦闘力がよろしくないようなので、地味~な仕事をさせるほうがいいだろう。例えば農業とか。その中でも酪農がいいだろう。


「強制移動ですから入らないという手はありませんよ。ほら、入ってください」


「クソッ、入ってしまったか。まあいい。ここからは自由に動ける。外には出れないようだが」


 村長の家の中には先ほどの二人と、それに加えて八賢者全員が集結している。つまり、狭い。


「そら、話しかけてきなさい。ベガさんとアンタレスさんがいますよ。行(逝)ってきなさい」


「だ が 断 る !」


「断ることは不可能です。さあ、誰でもいいから話しかけなさい」


 その後のシリウスの安否は訊くまでもないだろう。

ちなみに、この小説においての体力のステータスは、現実世界における≪スタミナ≫や≪持久力≫にあたる。普通に体力と認識してもらって構わない。

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