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全星空の大戦争  作者: 54
二章 地球は本当に地獄であった
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12、三宅島制圧戦・前編

やっとまともな戦闘が始まりそうです。今回はその序章。

 ――彼らは恐れを知らない。


 勇者達は海面を凍らせ、進んで行った。が、何せ人数が多いもので、氷に乗るとすぐに割れてしまうのである。「ぐぎゃあ!」


「おい! 割れてるぞ!! そこもっと強化!」


 氷は強化しても割れるということを、彼らは学ぶだろうか。


「罅入ってきた!」


「あ、間違えた! 火の魔法出しちゃった!」


「馬鹿ッ! 何やってんだ!!」


 結局はドボンである。残念。



 *



 ということで、泳いで島に着きました。「何でや」


 とにかく、島には着いた。後はこの島を制圧するのみ!「早いよ!」……、おっと、まだ準備が整っていないのであったな。「それに無駄な殺戮はしたくないし」


 とりあえず、勇者達は近くにあった無人の小屋に入ることにした。


「おい待て! 狭すぎて入りきらない!」


 つーことで、衛星たち+ミミズ&農夫は外で待機。その他の主要メンバーのみが小屋に入ることとなる。


「で、どうする? 武力で制圧するか?」


「武器が足りませんよ。だいたい、こんな所でいきなり戦争始めたら、この国中の問題になりかねませんよ。それに、かなりの大事起こしたらジエータイまで出てくるんじゃないですか?」


「むむむ、そうだな。こっちは剣とか槍とかいう原始的な武器しか持ってないし」


「銃なんかで対抗されたらひとたまりもないですよ」


 結果:戦いは一時保留で。



 *



 てな感じで5月12日。またしてもガラス瓶の流星。小屋の前に落ちてきて、割れた。


「うわっ! またガラス瓶だ!」


 発見したのはやはり戦士。(草むらで)寝ていた衛星たちも駆け寄り、小屋の前は暑苦しい空間となった(笑)。


「中は? 何が入っている?」


「紙と機械だ。……にしても、よく壊れなかったなこれ」


 中に入っていた機械は、小型の携帯端末のようだ。


「紙は? 何が書かれているんだ?」


「ま、待て。今読み上げる」


 手紙は、次のような内容だった。


――やっと三宅島に着いたか。実は、シリウスに探知機をつけておいたんだよ。それで場所がわかったってわけさ。で、このガラス瓶は遠隔操作で適当に動かせるから便利なもんだぜ。

あ、そういえば、携帯入ってただろ? 壊れてなかったら使えよ。俺の携帯の番号入ってるから、よかったらかけてくれ。

地球に行く準備はもうすぐ出来るぜ。じゃあ、返信シクヨロ☆

                                 byプルート――


「ふん、舐めきっておるな」


「まあ、元々そういう人だから」


 携帯は壊れていないようであったため、元々登録されていた番号に、試しにかけてみた。


 長いコール音のあと、それが急に途切れる。


「へい、こちらプルートの携帯電話だ」


「お、プルートか。シリウスだ。貴様、これはどういう仕組みだ? まさか、貴様が月まで繋がるように加工を?」


「そんなことはどうでもいいだろ。そういう設定なんだからさ。それより、明日には地球に向けて出発する。こんな空気のない場所なんてこりごりだぜ」


「そうか。頑張れよ」


「何その薄い反応! で、明日出発するんだけどさ、何か必要なものある?」


「丁度いい。じゃあ、今貴様らの所にある武器全部」


「何それ!? 何に使うんだよそんなもん!」


「いいから私の命令に従え」


「だからってそりゃねえよ」


「うるさい! 貴様は黙って私に従えばいい!」


「解ったよ。じゃあ持ってきた武器全部あげるからさ。そうだ、新しく開発された兵器も持っていく」


「平和な世の中だったのに何で兵器が開発されるんだ」


「え? 俺がカッコイイ車作ろうとしたら戦車になっちまったんだよ」


「何をどう間違えたら普通の車が戦車になるんだ!」


「まあまあ落ち着けって。で、他に欲しいものは?」


「あと、あったら対人ミサイルと対戦車ミサイル」


「ないよ! 何でそんなもん必要なんだよ! もしかして、アレか? 地球の空気が汚すぎて、頭が狂ったとかそういう系統か?」


「別にそういう系統だろうがこういう系統だろうが私は興味ない。いいからさっさと対人ミサイルを積め!」


「だからないんだって! もうちょっとマシなものを要求してくれよ」


「それがないのなら仕方ない。狩猟用の麻酔銃と捕獲網、それと建築用の木材と建築具、工具を持って来い」


「ないってば! ここは月だぜ!? どこに麻酔銃と捕獲網と木材と工具を持ってくる馬鹿がいるんだよ!」


「貴様が馬鹿じゃなかったのが悪い」


「何でだよ! もうお前の要求は聞けないぜ! じゃあな! あばよ!」


「あ、待て! まだ話は終わってない!」


 しばらくして、シリウスは携帯を閉じた。向こうから一方的に切られたようだ。


「どうでした?」


「簡単な武器と兵器の調達はしてくれそうだ。だが、島に人間が乗り上げてきた時に打ち落とす用の物は、持っていないらしい」


「まあそりゃそうでしょうね」


 とりあえずシリウスが必要としていたものは届けてくれそうだ。勇者達はワクワクしながら、この日を過ごした。



 *



 5月13日、人が降ってくる。


「何だあれは!」


「人です! 人が降ってきますよ!」


 降ってきた人は大体二十人ほど。ベガとシリウスの浮遊魔法で何とか助けた。


 手にはしっかりと荷物を持っている。


「おい、貴様らは何者だ」


「あ、シリウス様でしたか。実は、プルート様お手製の宇宙船が、地球の大気によって大炎上してしまったのです。それで私達は逃げ出したのですが、慣れない重力でパラシュートも壊れ、皆散り散りに」


「何だって!?」


 シリウスがいきなり大声を上げる。


「ですが、荷物だけは、この通りです」


「そうか、それはご苦労。だが、プルートがいない……。それはこちらにとって最大の痛手だ」


「兵器が、壊れてしまいました」


「この高さで壊れない方が不思議だがな」


 とりあえず、二十人の人間を小屋の中に入れ、勇者達は小屋の周りで作戦を練ることになった。


「どうする? 武器の量は充分。この島の人口は2600。目標は、なるべく死者を少なくして制圧すること。どうだ? いけそうか?」


「必要な条件は全て整った、というわけですか」


「後は速さだ。なるべく早く占領する。外部への情報漏洩を阻止。以上がその時に必要な条件だ。用意できるものは全て用意した」


「なるほど。ならば、行きましょうか」


 ターゲットは三宅島。

 人口は約2600。

 戦闘時間はなるべく短く。

 こちらの人数は203。


 ここまで来れば、後戻りはできない。


 後悔するなよ。
















 出陣。

 余談ですが、三宅島は東京から約175キロも離れているそうです。それほどの距離を泳いで渡るなんて、もうなんでもありな小説になってきましたね。やばい。そろそろ真面目に書かないと。

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