10、「どうにかしろ!」「どうにかってどうすればいいんですか!?」
やばい。彼らは猛烈にヤバイ。もうとにかくYABAI。何がやばいかというと、
「ブラックホールが接近しているぞ!しかもすごい速い!おまけに何か米粒みたいなのもいた!」
まあとにかく、そういうことである。「サラッと終わらすな!!」
勇者達の間ではブラックホールが従えている(と思われる)軍の対策用に、地球で軍を作ろうという話になっていた。だが、地球には戦ってくれそうな人間などいないだろう。
「どうするんですか!?人手が足りませんよ!」
「あああ慌てるなアルキオネ!!ま、まだ方ほ法はある!!今は落ちつつ着つけ!!」
「シリウスさんこそ慌ててるじゃないですか!して、方法とは?」
まあ色々である。「貴様は引っ込んでろ」
「実はな、私達の惑星から逃げる時に、住民達を別の惑星に避難させたんだ。準賢者のプルートに頼んでな。それで人は足りるはずだ」
「おお!さすがはシリウスさん。先の事を考えてますね」
「だが問題は、やつらをどうやって呼び出すかだ。連絡する手段が、どこにもない」
「前言撤回。やっぱりあなたも阿呆ですね。どうせそうだろうと思ってましたよ。シリウスさんは馬鹿であh「貴様よりはマシだ」で馬鹿で阿呆で馬鹿で阿呆で……」
シリウスはふと思う。「あ~コイツうぜー。誰か外につまみ出してくれよコイツ。やってらんねーよホント」と。同時に勇者も思う。「コイツホント馬鹿だなー。いつも先の事を考えて行動しろって言ってるのになー。いつも言ってたのになー。学習能力ねえわホント。やってらんねーよ」と。まあ、どっちもどっちである。
「とりあえず、今は連絡する手段を探そう」
まあそういうことになるな。「こいつもうぜえ」
とりあえず、勇者達は連絡するために使えそうな道具を探し回る。
しばらく探し続けて、
「ない」
当たり前だ。宇宙空間にいる生物と交信できる道具などが普通の屋敷にあるわけが無かろうが。「普通の屋敷って何!?」とりあえずこいつらは馬鹿である(笑)。「くっそムカつくなこいつ」
ここまで来れば頼れるものはひとつ。魔術である。多分何とかなる。多分だけど。「多分かい」
といっても、この中では誰も、他の惑星と交信する魔術を使える者がいない。困ったな。「待て。これからどうやって話進めるんだ」え?まだ決まってないけど。
「とりあえず、方法を考えろ!」
それ何回も聞いたような気が。「だから貴様は引っ込んでろ」
そんな(使えない)シリウスを放っておいて遊びに夢中になっている衛星たちは、自分達に迫っている危機感は感じられなかった(笑)。「話聞けよ!」
*
5月10日、ガラス瓶が降ってくる。
屋敷の前に、粉々に砕け散ったガラス瓶が落ちているのを見つけたのは、戦士だった。
「おい!こんな所に砕けたガラスが落ちてるぞ!それに、紙が落ちてる!」
屋敷の中の183人が庭に集結したため、大混乱に陥ったが、
何とか紙は回収できたようである。
「どうやらプルートたちは、月に避難したらしい」
「近っ!なんでそんなところに」
「で、ふざけてガラス瓶を地球に向かって投げたら、ここに来たみたいな感じか」
「何その勝手な推測!」
「で、この紙によると、月は酸素がなくて呼吸が出来ず、大変らしい」
「まあそりゃそうですね」
「それで、今から月の鉱物を利用して、何とかして地球に向かうらしい」
「その今がいつだかは知りませんけどね」
「最後に、返信シクヨロ☆、って書いてある」
「うぜー」
「まあそういうヤツだからね」
どうやって返信するのかは考えていないようである。「じゃあどうするんだよ!」
つーか、返信してくれなかったらプルート君はどうするんだろうね。「知るかそんなもん」
とにかく、勇者達は次の手紙を待つことにした。何か一方的なやりとりである。仕方ないけど。
*
つーわけで5月11日。「段々時間の経過が早くなっていくような気が」気のせい気のせい☆
いつものように、起床時間にネプチューンが起きず、アースにたたき起こされるも、シリウスに八つ当たりして怒られる朝と何も変わらない朝だった。まあそのあとは勇者と僧侶が何かやらかすんだけどね。「何なんだこいつらは(怒)」
昼もいつもと同じで、勇者達が暴れまわり、シリウスにぶつかり、怒られ、また懲りずに遊び続けるという「もうやめてくれ。なんだか悲しくなってきた」った。
「待て。今日は何かがおかしい」
「何がですか?」
「強い魔力を感じる。外だ」
丁度暇だった勇者達も、シリウスについて外に出て行った。そのあと勇者達は、とんでもなく恐ろしい光景を目にすることになる…………!
「何だ、鳩じゃん」(鷲)
もうホントすみません。