貴方の為の此の体
私は貴方がご主人様で良かったです。
貴方はみんなのご主人様です。デモ…貴方を本当に愛してしまったから。私は奴隷失格です。
いつからここに縛られていますか?
もう時間の感覚がありません。
蒸せ変えるほどの男性の香り。
持て遊ばれた体。
逃げられぬ貴方の目。
快楽を求めた体は貴方を欲しがり、罰をうけます。
貴方の為ならと何度も我慢し、貴方の為ならと何度も苦痛をうけいれます。
「素敵です…ご主人様」
でも貴方は他の奴隷も愛します。涙が止まりません。私だけのご主人様でいてください。泣けば泣くほど罰を、うけるのはわかります。でも貴方は誰にも渡したくありません。
「俺は皆を愛しているんだよ。レイラ…」
私は道具なの?いえご主人様の奴隷です。
愛で結びついています。
私は道具なの?いえご主人様の奴隷です。
私が一番の奴隷です。
貴方に愛されていれば私は自身の心などなくても生きていけます。
私が一番であれば。
「アリガトウございます。…ご主人様」
いつからでしょう。貴方が他の奴隷に触るたび吐気がします。
いつからでしょう。貴方に名前を呼ばれるたび、ずっとそのまま…と思います。
「レイラ…レイラ…レイラ」
ご主人様ごめんなさい。もう誰にも渡したくなかった。私だけのご主人様にしたかった。レイラも後からちゃんと逝きますね…
生きて行くことつらくなりました。
もう誰も愛さないで下さい。
サヨナラ来来
貴方の為の此の命。口果てても貴方を愛すレイラの命…
二人の体の腕には
「零羅尚二人きり…」
の文字が悲しく血で書かれていた。