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ピザ屋

作者: せおぽん
掲載日:2025/12/03

ピザ職人のマッシモは、自分の焼くアツアツのピザこそ世界一だと信じている。

しかし、そのアツアツを客の元まで保つことは、どうしても難しかった。


ならば、冷める前に届けるのではなく——その場で再現すればよい。


マッシモは量子物理学を学び、ついに食品を遠隔地で再構成する現象を発見した。

後に「マッシモ共鳴」と呼ばれるこの現象は、材料さえ揃っていれば、ピザの分子振動を遠隔地へと共鳴させ、同一のピザをその場に再現するという画期的なものだ。


原理はシンプル。

「マッシモ共鳴」では食品再現の基準を水分子の共振スペクトルに置く。

水分量の少ない食品は分子配列が安定しているため、共振のブレが少なく、再現性も高い。


サラミ、チーズ、小麦粉。

どれも水分が少なく、正確に転送・再現された。


しかし、フレッシュなトマトだけは、何度試しても希望通りにはならない。

水分が多すぎて構造を保持できず、転送後にはベチャベチャのケチャップになってしまう。


「こんなモノは、俺のピザでは無い!」

マッシモは頭を抱えた。


乾燥トマトを試してみても、結果は赤い粉がピザの上に散らばるだけ。

赤い色素も正常な転送を阻害することがわかった。


トマトは——どうやっても転送できない。


マッシモは小さなメモ用紙を取り出し、こう書いた。


「トマトはご自身でトッピングしてください」


そして、アツアツのピザの上にメモを置き、転送装置を作動させたのだった。


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