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第58話 おっさん、魚雷を木刀で「ぬんっ!」する

「ボクレン、助かりましたわ!」

「わぁ~~ん、ボクレン様ぁ~怖かったですぅ!」

「ボクレンさん!」


 瓦礫と煙の立ち込める中央広場で、三人の少女が駆け寄ってきた。

 アレシーナ、ティナ、セシリア―――それぞれに泥や血で衣服が汚れ、肩で息をしている。

 その周囲を取り囲むように、エリクラス隊長とリンナ副隊長をはじめとする聖騎士たちが守りを固めていた。

 どの顔にも疲労と焦燥が色濃い。


 俺はぐるりと周囲を見渡して、「ふぅ」と息を吐く。


「よく頑張ったな……ここからはおっさんも加勢するぞ」


 疲れてはいるだろうが、瞳の奥に闘志を燃やすアレシーナとセシリアが頷いた。

 そして、安心したような微笑むを返すティナ。怖かったんだろう、本当に良く踏ん張ったな。


「ボクレンさん、あの攻撃を押しのけるなんて、やっぱりすごいです」

「ああ、そのとおりだ。あれを木刀で押し込むとは……いつもながら貴様の変態具合には驚かされる」


 セシリアの言葉に、リンナが乗っかってきた。


「いや、ありゃ勢いでぶったたいただけだ。……しかし、なんなんだありゃ。地面から飛び出す魔法か?」


 広場に到着したとたん、なんか地面から出てきたんだよな。


「ボクレン、恐らくあの攻撃は魔道具ですわ。敵は地中から攻撃してきますの。だから本体は……地中に潜んでいるはずですわ」

「ほう……なるほどな」


 あの爆発は、地中にいる奴が放っているということか。


「てことは、その本体を叩けばいいってことだな」


 アレシーナが真剣な眼差しで前に出る。なにか案があるんだな。


「ええ、ワタクシは魔力の流れを探って、なんとか本体の居場所をさぐりますわ。ですが時間がかかります。その間ボクレンは、敵の攻撃を防いでくださいませ」


「よっしゃ、わかった。んじゃ、おっさんいくぞ」



 ―――ズズズズズズズ


 地響き。地中から音が近づいてきた。

 さっそくおいでなすったな―――


 音の軌跡を感覚で辿る……その先には数人の聖騎士たち。


「―――バレッサ、くるぞ!!」

「くっ……みんな後方に跳ぶっす!」


 俺は地中の音へと一気に距離を詰めて―――踏み込む!


「――――――ぬんっんん!」


 不気味な音とともに迫り来る塊を木刀で真正面から叩きつける。

 俺の振りで魔道具が爆発し、その衝撃は押しもどされ地中に向かって広がっていく。

 衝撃の余波が地面を突き破り、多少の土砂を巻き上げた。


 森の中にも地中に潜む魔物はいた。

 今回は魔道具だから、気配は掴みにくいが移動する際には音が出る。


 よし、次ぃいい!


 今度はリンナたちの方だな。

 そんだけけたたましい音を出してりゃ……どこから出てくるかはだいたい予測がつく。

 やることは同じだ。


「――――――ぬんっんん!」


 木刀一閃。

 轟音が広場を揺るがすが、そのまま一気に木刀を振り切る。


 間髪入れず、別の方向から再び接近する音。

 地中を揺らして突き進んでくるであろう、魔道具。


 木刀が唸りを上げるたび、破壊音が爆ぜ土煙があがる。


 ―――ズズズズズズズ

 ―――ズズズズズズズ


 今度は二発同時か。まっすぐ俺に向かってくる。


「ふぅ……俺に標準を合わせてきたか」


 これは好都合だ。いちいち移動しなくて済むからな。

 だったら……


「――――――ぬんっんん! ぬんっんん!」


 こっちも連撃で対応するまで!


 木刀の高速二連撃によって、地面が二度揺れる。

 土煙が周囲に飛び散り視界を曇らせる。そして俺の背にアレシーナの声がとぶ。


「ボクレン―――あそこですわ! バレッサさん!」

「了解っす―――聖高速火矢フラッシュファイアーアロー!」


 粉塵を突き抜けて、バレッサの火矢が地面に突き刺さった。

 なるほど、そこかぁああ!


 視界が曇る中、俺は瞬時に地を蹴り、迷いなく火矢までの最短距離で間合いを詰めた。


 よし、ここは思いっきりいく。

 両足を地面にしっかりと固定して、木刀を上段に構える。


 心と身体の集中力を高め―――



「――――――ぬぅうううううんんん!!」



 全身の筋肉がうねり、迷い無き強烈な一撃を直下にお見舞いした。



 ―――ズズズズズズンンッ!!!



 渾身の咆哮とともに、特大の一撃が叩き込まれた大地が悲鳴を上げた。

 地鳴りが広場を揺さぶり、空気が振動を繰り返す。

 建物の窓が震え、聖女たちの叫び声が重なった。


「じ、地面が……!」

「学園全体が揺れていますわ!」


 その轟音の中、地面を割って巨大な影が浮上してきた。


「お……なんか出てきたな」


 鈍い光沢を放つ物体。鉄の船……か?


 こいつが親玉だな。


 俺は木刀を握り直し、すぅ……と深く息を吸い込んだ。




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第58話まで読んで頂きありがとうございます!

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※本作はカクヨムにて先行公開中です。


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