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 今から始める、生徒会革命術!   作者: 放課後デイズ
5/6

只今回想中!

「あれ?なんで空いてないんだ?」

遊びの約束をした翌日、俺は今日も今日とて生徒会室に行こうとドアを開けようとした・・・のだが。



なんと、いつもなら空いているはずの生徒会室の鍵が空いていなかったのだ。

おかしいな、いつもなら俺がここに着く頃には生徒会は空いてるはずだが・・・。

俺が今日特別早く来たというわけでもないし、何ならいつもより幾分か遅れていたほうだ。なので俺以外の全員が集まっていても全くおかしくない。なのに空いていないということは、なにかあったのだろうか?

「どうしたんだ、透」

「お、優」

立ち尽くしているる俺に優が声をかけてくる。

「いやそれがな、まだ生徒会室の鍵が空いてなくてな。」

「?今日は生徒会はないぞ?」

「は?なんでだ?」

「だって、中間テスト一週間前じゃないか。」

そこから少し優に聞いてみると、ようやく鍵が空いていない理由がわかった。

この学校は勉強に生徒が集中するために中間テストなどのテストの一週間前は部活が活動停止になるのだが、優曰く、それはこの生徒会も例外ではないらしい。

ということはテスト期間も含めると二週間近くは生徒会の仕事がないことになる。

これからどうしようか。

当然そのことを知らなかった俺は、今日も生徒会室に来る気満々だったので今日の放課後の予定がまるまるなくなってしまった。

もちろんそのまま家に帰ってもいいのだが、そうしたらそうしたで読書にふけって時間が溶けてしまうだろう。当然それでもいいかもしれないが、なんとなく勿体ない気がする。

うーんと俺が悩んでいると、優が口を開いた。

「今日もう用事ないなら、少し寄り道しない?」

「へ?」

「もちろん他にしたいことがないならの話だけど、どう?」

「いや、俺は別に大丈夫だが・・・お前こそ他の人との予定とか入れてないのか?」

俺に関しては正直、予定がある日を探す方が難しい。完全なボッチというわけではないのだが、そこまで積極的にクラスメイトと関わっていないせいでクラス全体のイベント以外で友人に何かを誘われるのは結構稀だ。

その点、優は誰からも陰口を聞いたことのないような完璧超人。当然友人からのお誘いは絶えない。部活の活動停止も相まって暇を持て余しているクラスメイトから結構な量のお誘いが来ていたはずなのだが・・・。



「うん、大体10人くらいから放課後のお誘いが来たけど、全部断ってるから大丈夫だよ。」

まじかよ、いやまてそれって・・・

「それ、俺がお前と一緒にいるところを見られたら殺されないか?」

「・・・・・・さあ?」

「不安になるなあ!?」

「まあ、そんな些細なことは置いといて、どうする?行く?」

「些細なことって・・・まあ行くけど」

「よし、じゃあ決まりだ。ほら、早く下駄箱行こ。」

「はいはい」

全く世話が焼ける。

俺は妙にテンションが高い優の後ろをついていくのだった。


学校を出てしばらくたった。

優は相変わらずワクワクが体から溢れている。

何がそんなに嬉しいのか。

「というか改めて考えると、二人で一緒に帰るのって久しぶりだね。」

「確かにそうだな。」

優は生徒会役員であるため毎日が遅いし、俺は生粋の帰宅部だ。

俺と優は家が近く行き先もほぼ変わらないが、最近はあまり一緒に帰る機会はなかったように感じる。

最近は俺も生徒会室に入り浸っているから、帰る機会はあったのだろうが、生徒会室の施錠をしている優が「待たせるのは申し訳ないから」といって遠慮されていた。

確か優が生徒会役員になってからぶりだから・・・

「だいたい1ヶ月ぶりくらいか。」

「確かに。初めてかもね、こんなに期間を空けたのは。」

「だな。」

俺と優はなんやかんや小学校からの付き合いだ。お互いの家もそれほど離れておらず、それもあってか小中学校では大体毎日優と一緒に帰っていた。

流石に毎日一緒ってわけでもなかったが、それでも一週間も期間を空けることすら結構稀だ。



「そうなると鈴音がいないのが少し残念だね。誘えばよかったかも。」

同じ幼馴染の鈴音も家が離れていなかったので、いつものように一緒に帰っていた。

優と鈴音と俺。この三人がいつもの下校メンバーだった。

「やめとけやめとけ、ただえさえ十人の誘いを断ってんのに、そこに鈴音を誘うといらぬ誤解を生むぞ」

「そう・・・だね。」

優は明らかにがっかりしたように肩を落とす。

まあ確かに優の気持ちもわからんでもない。俺も昔のようにいかないのは少しもどかしい。

もし、俺たちが通ってるのが地元の有名校でなければ、クラスメイトに見知った人がいて少しは融通がきいたのだろう。

だが、実際問題この学校に合格したのは同級生の中で俺たち三人だけだ。

昔の俺たちを知る人はいないし、こうなることも仕方がないと言える。

「まあそんなに落ち込むなって。まだ他にもチャンスはあるだろうし」

「そうだね・・・あ、そうだ。今度の休日、三人で一緒に勉強会でもしない?」

「勉強会?」

「そ、これならこっそり誘うこともできるだろうし、出歩くわけでもないから誰かに見られて誤解される心配がない。我ながら名案だと思うんだけど、どうかな?」

俺は少し考えてみる。

まあ確かに、誤解される可能性は少ないだろう。

だが、・・・なあ?

「絶対あいつまともに勉強しないぞ?」

あいつとはそう、言わずもがな鈴音のことだ。

鈴音はこの進学校にすらほとんど勉強せずに受かっている、いわば天才肌だ。以前にも何回か勉強会を開いたことはあったのだが、毎回最初に音を上げるのは鈴音だったりする。

その度に俺たちは何かと振り回されて、勉強どころじゃなくなることもしばしばあった。

ただの遊びならともかく、勉強会に鈴音を誘うのはどうだろうか?

俺の言わんとすることもわかるのか、優は苦笑する。

「まあ、名目は結局お飾りみたいなものだよ。僕としては三人がまた一緒の場所に集まればなんでもいいし」

「だけど鈴音はともかくお前はテスト近いけどいいのか?」




「大丈夫、一日くらいならどうにかなるさ。それよりも僕は透のほうが気になるけど、透はテストは大丈夫なのかい?」

「まあ、予習復習はきちんとしているからな。多少のサボりは許容範囲だ。」

「よし、じゃあ全員大丈夫だね。集合は僕の部屋でいい?」

「ああ、じゃあ鈴音にはこっちから伝えておく」

「ありがとう」

「いやいいよこのくらい」

こんなのLINEでちょっとメッセージを打てば済む話だ。感謝されるほどでもない。

「そういえば、今日はどこに寄り道するんだ?」

俺はふと浮かんだ疑問を投げかけてみる。

先程から俺は行き先とかは全く伝えられておらず、ただ優の後ろをついていくだけになっている。

この寄り道を誘ったのは優なのだし、そこらへんもちゃんと考えてあるのだろう。

俺はそう思っていたのだがーー

「うーん、どこがいいかな?」

まさかの何も考えてない発言が飛んできた。

おいおい、じゃあ今までずっとアテもなく彷徨ってたのか?

俺が「まじか」とでも言いたげな顔で見つめると、優は手を合わせて謝ってくる。

「ごめんって、今日は透と一緒に帰れるって思ったらそれだけに意識がいっちゃっててさ、考えるのを忘れてたんだよ」

俺は優の返答にため息を一つこぼした。

「まあしょうがないか、今回だけだぞ」

「ほんとにごめんね」

優は気配り上手だし変な発言もすることがないから、周りから結構誤解されているが、結構無茶なこともする。

いつもはちゃんとしているのに、感情が高ぶってしまうと途端に周りが見えなくなるのだ。

俺もそれで何度か助けられてきたのだが、その度に本当に優はラノベの主人公みたいだなと思ってしまう。

・・・まあ今回はそれが逆に裏目に出てしまったのだが。

「あっそうだ。そしたらさ、いつもの公園にいってみるのはどうかな?」

そんな事を考えていると、優が俺にとっても意外な提案をしてきた。

「いつものって、九十九つくも公園のことか?」

俺が驚きながら返すと、優は「そう」と頷いた。



「いつものっていっても、あそこ中学生になってからほぼ行かなくなってたじゃないか。なんで今更なんだ?」

「まあまあ、だからこそ、だよ。それに他に行くところもないだろうし、昔を懐かしむ上でもいいかなって思うんだけど、だめかな?」

うっ、そう言われると断りづらい。

まあ、他に行くところがないのは確かだしいっか。

「・・・ちょっとだけな」

そういうわけで、俺たちは昔の思い出の場所に足を運ぶことにしたのだった。


九十九公園は小学校のころよく使っていたということもあり、そこに着くのにあまり時間は経たなかった。

まあそれでも、九十九公園は学校側から俺たちの家がある地区を挟んで反対側にあったため、三十分はかかったが。

その道中も、優との雑談が途切れることはなかったため、気まずくなることはなかった。

やはり1ヶ月というのは俺達にとっては相当長かったのか、話題は次から次へと出てきた。

普通はいつもどこかで話が途切れるタイミングが出てくるものだが、今回に限ってはそれが全くなかった。

閑話休題

そんなこんなで俺達は今、九十九公園入口にいた。

寂れたブランコと滑り台以外は何もない、ごく平凡な公園。それがここだ。

今は夕方だが、ここがあんまり人気がないこともあってか、公園には昔の俺たちのように三人組の小学生が一組見受けられただけだった。

ああ、懐かしいな。

俺が少し考えていると、少し遠くから優の声がした。

「おーい、早く来なよ」

見ると、優はすでに公園の奥にあるベンチのそばにいた。

「ったく、しょうがないな」

俺はすぐさま思考を中断して優のもとに駆けつける。

「俺をおいていくなよ」

「だって透がなにか感慨にふけっている感じだったからさ。邪魔しちゃ悪いかなって。」

「うっ、まあそのことは置いといてくれ。」

そして俺は公園を見渡して口を開く。

「それにしても、懐かしいな。この公園ってこんなに小さかったか?」



「確かに、それ僕も思ったよ。やっぱり小学生の時とは違うね。」

「ああ」

不意にそこで会話が途切れる。

今まで会話が全く途切れなかったことからすれば嘘のようだ。

だが、正直言って俺はこの沈黙が嫌いではない。

落ち着く時間と言うか、感慨深い時間と言うか、そんなものが今を支配している感じがして、なんとなく癒やされるのだ。

優が口を開く。

「ねえ、覚えてるかい?」

「ん?」

「ここのすべり台で透が勢い余って飛び出して泣きそうになったことがあったよね。」

「・・・やめてくれ、もう思い出したくない」

俺は少し顔を赤らめて言った。

流石にそんなに昔のことを持ち出されると恥ずかしい。

「目に見えて怪我をしていたのに、透ったら泣きそうな目で意地を張って『泣いてないもん。早く次の遊びしよ』とかいっちゃってさ、あの時は本当どうしたものかと思ったよ。」

「おまっ、それを言うならお前だってここでボール遊びしてボールが木に引っかかったとき、小3のくせに木に登ろうとして何度も何度も失敗してたじゃねえか」

「うっ、それは言わないでくれると・・・」

「いやあ、あのときの優を止めるのは大変だったな。流石にこのままだったら怪我しかねないから『もう諦めようよ』って俺がいってたのにその静止を聞かずにまた登り始めるし」

「うう、そんな事言うんだったら他にも透はさ、あそこのすべり台でーーー」

「何をいう、それならお前のほうがーー」

それから俺たちは、その場でずっと思い出を語り合ったのだった。


「ふう、もうこんな時間か」

時計を見ると、もう6時を指していた。

久しぶりとはいえ、流石に喋りすぎたかもしれない。

空はすでに夕日が差しており、一日の終わりを示していた。



「そうだね、じゃあそろそろ解散にする?」

「ああ」

「あー楽しかった。」

優が腕を上に上げて体を伸ばしてつぶやいた。

「そうだな」

すると、前を歩いていた優がこちらに振り向いてきた。

俺たちが来た時に遊んでいた三人組は、もういない。

「それにしても、さ」

「ん?なんだ?」

「・・・僕たちってさ、変わっちゃったよね」

「そう、だな」

俺は改めてこの公園を見渡す。

小学生の時に広いと思っていたはずの公園は、今見るとただの寂れた狭い公園でしかない。

俺たちも、昔のようにここに毎日来ることはなくなっていた。

感慨深くもあり、ちょっとだけ寂しい。

「また来ような。」

俺は優に向かってそういった。

すると、優はまた振り向き嬉しそうに「うん」と頷く。

それから俺たちは、分かれ道で別れるまでお互いに無言だった。







俺は優と別れたあとも、少し感慨にふけりながら帰路についていた。

「ただいま〜」

玄関に入り、挨拶をする。



すると、奥のキッチンから返事が返ってきた。

「お、おかえりーお兄ちゃん。今日はカレーだよ〜。もうちょい時間かかるから先にお風呂はいとってね〜」

声の主は桐谷由香、俺の実の妹である。

両親が共働きのうちの家庭はどちらも深夜まで仕事から帰ってこないため、大抵の場合、俺が朝食、由香が夕食をそれぞれ作ることになっている。

俺はリビングに荷物を置くと、目の前にいる由香に返事をした。

「うん、じゃあそうさせてもらうわ」

「オッケーわかったー。ん?あれ?」

「どうした?」

どうしたんだろうか。由香が戸惑ったような反応をしている。

「お兄ちゃん、何かあった?」

俺は少しドキッとした。

なんでわかったんだこいつ?

「・・・一応、そう思った根拠だけでも聞いていいか?」

そう言うと、由香は手を口に当て、少し考えるような仕草をする。

「うーん、と言っても明確な違いとかはないんだよね。声色と言うか雰囲気というか、なんかいつもと違うなって思って」

我が妹ながら恐ろしいやつ。

「で、どうなの?何かあった?」

「・・・まあな。今日、優と帰ってきた。」

「えっ、優先輩と!?」

「ああ、懐かしいだろ?」

由香は俺とは一年違いのため、前の学校では先輩後輩の間柄だった。

また、俺と優の関係が関係のため、優と由香は少し面識がある。

休日とかになったら一緒に遊んだりもした仲だ。

だが、最近はと言うと、そもそも俺と優すら一緒に下校できていなかったため、優と由香はおそらく会話すらろくにできていないだろう。

由香はカレーをつくっていた手を置き、こちら側に振り返った。

「で、どうだった?」

「どうだったとは?」



「優先輩はどうだったかってこと!」

「お、おう。まあでも最近関わりが少なくなってきたって言ってもまだ一ヶ月だぞ?なにも変わったことはないって。まあただ」

「ただ?」

「中学とは違って、会いづらい感じにはなってるな」

「ああ・・・まあそれはしょうがないよね」

「だな」

そこで俺は思い出したように手を叩いた。

「あ、そうだ。実は九十九公園にも行ってきた」

「え、小学校の頃よく使ってたあの?」

「そうそう」

「うわー懐かしー」

「な?」

公園で遊んだメンバーの中には由香もいる。それほど頻度が多いわけではなかったが、それでもあそこにはたくさん思い出があることだろう。

「お兄ちゃん達が中学生になってからは途端に行く回数が減ったからね〜。またみんなで行ってみたいな〜。」

やはり由香も感じるところはあるのか、すっかり料理の手を休めて思考にふけっている。

「由香、手」

「おっと、うっかりっかり」

由香は鍋をかき混ぜるのを再開する。

「なあ、由香」

「ん?なあに?」

「また、みんなで一緒に遊びたいな」

「だね」

俺はそのまま風呂に向かっていくのだった。







LINEにてーー

桐谷:『優の家で勉強会をすることになったが、来るか?』

すず:『行く行く!』

桐谷:『お、おう。すごい食いつきっぷりだな』

すず:『だって最近こういうのめっきりなかったし』

桐谷:『まあ確かにな』

すず:『で、いつするの?』

桐谷:『お前、それ聞かずに了承するなよ・・・』

すず:『いいじゃんいいじゃん』

桐谷:『はあ・・・まあいいか、場所はいつも通り優の家だ』

すず:『オッケー』

桐谷:『お前ちゃんと勉強しろよ?』

すず:『え?』

桐谷:『・・・は?』

   『まさか勉強するつもりがないとか、そんなことはないよな』

すず:『・・・どうしてもしなきゃだめ?』

桐谷:『・・・当たり前だろ』

すず:『・・・しょうがないなあ』

桐谷:『なんか始まる前から不安なんだが』

すず:『大丈夫?相談のろうか?』

桐谷:『・・・それは喧嘩を売ってるって認識でよろしいか?』

すず:『じょーだんじょーだんw』

桐谷:『まあ、流石に最低限の勉強道具は持ってこいよ』

すず:『わかってるって!』

桐谷:『あ、由香から呼び出しがかかった。今から夕食』

すず:『オッケー、じゃあまた明日』

桐谷:『ああ、また明日』


紅白見てます(現在進行系)。皆さんお年玉の使い道は考えましたか?

私は未だにお年玉を親に請求していますw。

皆さん良いお年を。

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