9月14日(日)
英理香の日記
今日は、私達六年生にとって、小学校最後の運動会だった。
来年からは、第一小の運動会に参加することが出来ない。
だから、私は、悔いを残さないように精一杯頑張った。
そして、100m走と障害物競走で一位を取ることが出来た。
六年間通して一位を取ることが出来て、すごくうれしかった。
男女混合色別対抗リレーでは、私は女子のアンカーで、さすがに緊張した。バトンを渡されたとき、私達の青組は二位だった。だから、一位の赤組の岡田さんを抜こうと必死で走った。そして、ゴール間際で岡田さんを抜き、トップで男子のアンカーの黒木君にバトンを渡すことが出来た。
黒木君はトップを守り、青組は見事にリレーで優勝することが出来た。
黒木君が、
「青組が優勝出来たのは、早川が抜いてくれたおかげだよ」
と言ってくれた。
総合優勝は白組で、青組は準優勝だったけど、応援賞は青組だった。
黒木君は、応援団長としても頑張っていた。
運動会の後、黒木君は、教室で、井上君や小山君や美咲達と楽しそうに話していた。
美咲の日記
今日は運動会だった。朝のうち少し曇っていたけれど、午後からは晴れてきて暑かった。
青組は準優勝だった。ちょっと残念。でも、応援賞はとれたから良かった。
100m走は三位。障害物競走は二位。六年間で一度も一位を取れなかった。
こんなだから、リレーの選手に選ばれたことなんてない。
英理香は、すごく活躍していた。黒木君に一位でバトンを渡しててうらやましかった。
運動会が終わった後、黒木君に
「応援団長かっこよかったよ」
って言ったら
「応援賞とれてホッとしたよ」
と、うれしそうだった。
黒木君、本当にかっこよかったんだよね。元々イケメンだし、勉強できるし、スポーツ万能だし、しかもやさしいし。
小山君が
「立花さん、障害物二位で残念だったね。でも、顔の美しさはダントツで一位だからさ!」
と言ってくれた。小山君は、身長がちょっと低めで、坊主頭で三枚目キャラ。ふざけてる事多いけど、なんか、いつも私の事、ほめてくれる。
「小山君、100m走で最初の方で転んだのに三位ってすごかったじゃん」
と私が言うと
「あ!見ててくれた?そうなんだよ、俺、超がんばったんだよ。でも、それで疲れちゃって、障害物四位だったけどね」
と少し残念そうに言った。
井上君が
「俺も障害物二位だったよ。立花と一緒だね」
と言った。井上君もわりとかっこいい。黒木君と小山君と友達で、私とも結構話しする。
「2位って、うれしいんだけど、意外とくやしいよね」
と私が言うと
「わかる。一位ときん差の二位って、ほんとくやしいよな」
と言った。確かに、私も井上君も、一位との差は、ほんのわずかだった。
小山君が
「黒木は全部一位だもんなぁ。うらやましいよ」
と言うと、黒木君は
「俺も二位のほうが良かったかも」
と言った。
井上君が
「あ~!それってどういう意味?」
と黒木君に聞いたけど、黒木君は笑うだけで何も言わなかった。
小夜子の日記
やっと運動会が終わった。
朝からずっと緊張していた。お弁当もあまり食べられなかった。
100m走も障害物競走も四位だった。
ビリじゃなくてホッとしたけど、小学校の時に一回だけでも三位を取ってみたかったな。
でも、私じゃ無理だよね。
英理香や美咲がうらやましいな。
でも、組体操はがんばった。みんなで毎日練習したかいがあって、本番ではピタリと決めることが出来た。とてもうれしかった。
青組は準優勝だった。でも、応援賞はとれたし、いい思い出になったと思う。