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8.魔法

 

 マティスの爆弾発言にアリスが驚いて立ち上がろうとして、屋根にしこたま頭をぶつけた。


「痛い」


「アリス、大丈夫?」


 アリスの心配をしながら、この危険な話題の回避作戦を一生懸命考えてみる。


 1.逃げる

 2.逃げる

 3.逃げる


 って、逃げるにしてもこの馬車から飛び降りる勇気ないし。

 アリスもいるし。


 逃げちゃダメだ、

 逃げちゃダメだ、

 逃げちゃダメだ、


 これじゃ前世のアニメじゃない。


 そう、ここで降りても、ユナが追って来ている可能性大だ。


 これって、あれだよね、

 前門の虎、後門の狼


 つまり絶対絶命じゃない。


 散々頭を悩ませていると、マティスが声を掛けてきた。

「アリスは大丈夫そうだね。

 ルナはいろいろ考えて大変そうだけど」


 笑われた。


 そうだよね。

 ユナに比べたらマティスの方が助けてくれる可能性高いよね。

 虎さんに1票!


「どうして、私の魔法の力を知ってるの?」

 直球、フォーシームで聞いてみる。


「どうしてって、だだ漏れしてるでしょ。

  魔力」


「だ、だだ漏れーーーーーーーーー」

 思わずアリスとハモる。

 アカペラデュオ誕生!


 マティスは笑いながら私を指差す。

「アレン領で見た瞬間にわかったよ。

 ある程度魔法が使える人間なら誰でもわかるくらいの魔力だしね」


「えーーーー。

  それ不味くないですか。」

 それと人を指差すのも不味いよ、マティスさん。


「うん、不味い。

 だから、誰かに悪用されたら大変だから、馬車に乗せたんだ」

 キラキラスマイル、プライスレス。


「あら、心配してくれてありがとう。

 じゃない、マティスが悪人かもしれないじゃない」


 マティスは更にキラキラスマイルを放ち、

「私が悪人に見える?」


「見えない」

 はい、陥落。

 やっすい女だな、私。


 今まで優しくされてこなかったから、優しくされたらすぐ落ちる。

 あっ、アリスは別格。

 アリスは私の唯一の大切な人。


「家族から逃げてるって言ってたけど、2人のご両親?」


 ウーン、答えに窮するわね。

 正直に答えようか。


「父親と母親は私を下働き扱いしてこき使ってましたが、王都まで追って来るほど、私に執着してるとは思わないので、それ程心配してないんです」


 そう言えば父親は魔法使えるはずだけど、私の事気付かなかったのかな?

 いや、気付いてたら絶対利用しようとするから、大した魔力じゃないのかも。

 自己完結。


「ふーん、じゃあ誰に追われてるの」


 マティスさん、あなたエスパーですか?


「な、何故追われてるって知ってるんです」

 アー。これじゃ追われてるの肯定しちゃったじゃない。


「あんなに急いでいるって言ってたし、馬車が無いってわかった時に、詰んだ、って呟いたでしょう」


 なんて良い耳をお持ちなのでしょう、マティスさん。

 うさぎさんみたいですね。


「逃げてるのは、妹からです。

 昔から私を苛めたり、嫌がらせをすることに命掛けてる危ないやつ、じゃない女なんです」


「それってユナ?」

 ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーー。

 何でその名前知ってんの。


 ま、さ、か、ユナの仲間ーーーーーー。



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