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「ラスト・クリスマス 」(映画)

監督ポール・フェイグ


ロンドンのクリスマスショップで働くケイトは、小妖精の格好をしてきらびやかな店内にいても仕事に身が入らず、生活も乱れがち。そんなある日、不思議な好青年トムが突然現れ、彼女の抱えるいくつもの問題を見抜いて、答えに導いてくれる。ケイトは彼にときめくけれど、ふたりの距離は一向に縮まらない。 トムを捜し求めつつ自分の心の声に耳を傾けたケイトは、やがて彼の真実を知ることになる……。



 

 元気が欲しくて観た映画。アメリカ映画だけど、舞台はロンドン。折り込まれているのが、人種差別、移民、LGBT、貧困、ホームレスとボランティア活動と、いかにもイギリス的。登場人物もアングロサクソンらしいのは、店長の出会う紳士くらいで、ケイトはユーゴスラビアからの移民、姉の恋人は黒人女性。ケイトの出会う青年は中国人ぽい。名前は英語だけど。彼女の友人たちもいろんな人種。

 

 メインストーリーが「小さな悪魔」の「待ちぼうけの男」に似ている。事故で亡くなったトムが、自分の心臓をあげたケイトに逢いに来て生きる意味を見失っていた彼女に、励ましをあげる。



「特別って事が過大評価されてるんだ。人間でいるってことはとても難しいと思う」


「“日常の小さな行動がその人の人格を作る”つまり人は自分のすることで作られている」


「私は誰?」

「さあね。自分を定義したい? 矛盾してるからって何が問題なんだ? なぜ何かになりたがる?」


 心臓手術で自分の心臓を失い、ぽっかりと心に穴が開いてしまっていたケイトは、トムとの出逢いで欠けていた何かを思いだし、「良いこと」を少しづつ積み重ねることで生き生きとした生を取り戻す。


 メモリアル・ベンチや、草ぼうぼうの公園、壁の落書きのような絵が、とてもロンドン。


 ケイトの母親との葛藤も、そんな簡単に割り切れるものじゃないだろうとは思っても、彼女が少しだけ大人の対応ができるようになった感じで好ましい。


 家族全員が、それまで胸の奥に沈めていた不満を出し、けれどそれを感情的に怒りとしてぶつけるのではなく、笑い飛ばしてしまえるようになっていたことが嬉しい。





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