「ザ・スクエア 思いやりの聖域」(映画)
監督リューベン・オストルンド (スウェーデン)
正義という名の落とし穴 理想どおりに生きることの難しさ。クリスティアンは権威ある現代美術館のキュレーター。洗練されたファッションに身を包み、バツイチだが2人の愛すべき娘を持ち、そのキャリアは順風満帆のように見えた。彼は新たな企画として「ザ・スクエア」という地面に正方形を描いたアート作品を展示すると発表する。四角の中は人々に「思いやりの心」を思い出してもらうための聖域であり、社会をより良くする狙いがあった。だが、ある日、携帯と財布を盗まれたことに対して彼がとった行動は、同僚や友人、果ては子供たちをも裏切るものだった……。
各エピソードの関連性がよく判らない。トラブルの連続が彼に動画チェックを怠らせ、騒動に発展していったのは解るのだけど。
パーティーでのモンキーマンの場面とか、物語に絡ませる意味あるのかな? 芸術とは何か、とかスノビズム批判?
パーティーで知り合った女との関係なんかも。こういう会話、されるほうからしたら、うざい。
終わった後、精液の入ったコンドームを渡す、渡さないの会話が薄ら寒い。夫はいらない、優秀な遺伝子だけが欲しい、とシングルマザーになりたがる北欧女性の記事読んでたからかな。彼女が喋ってるのは英語だったけど。
最後に、クリスティアンが反省して謝罪に行くのが救いか。後悔して動画に懺悔する内容は、個人の利己的な感情を社会構造上の問題にしているところが、インテリのうさん臭さというか知的防衛というか。
それにしても、広告屋の動画コンセプトは、ずいぶんいやらしい。




