「完璧な他人」「大人の事情」(映画)
監督 イ・ジェギュ
豊胸整形医ソクホ(チョ・ジヌン)と精神科医の妻イェジン(キム・ジス)の新居に集まった親友とその妻たち。気むずかし屋の弁護士テス(ユ・ヘジン)と貞淑な専業主婦スヒョン(ヨム・ジョンア)。新婚ホヤホヤのイケメン社長ジュンモ(イ・ソジン)と若妻セギョン(ソン・ハユン)。新恋人を連れてくるはずが、一人でやって来た教師ヨンベ(ユン・ギョンホ)。久々の再会を喜び、変わらぬ友情や夫婦愛を確かめあい、お酒も会話も弾んでいく。そして自分たちの間には隠し事がないことを証明するため、「今からスマートフォンに届く電話やメールを全員に公開しよう」とスマホロックを解除することに...。次々と届く着信やメール。他人に知られたくない“大人のウラ事情”が露わになり、楽しいはずのパーティーは想像を絶する修羅場と化していく──!!©2018 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.
お正月に子どもらと。めっちゃ笑った。
とにかく脚本が上手い。笑いとほろりとシリアスの緩急が見事で。と思ったら、何か国もでリメイクされているイタリア映画「おとなの事情」の韓国版らしい。
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「大人の事情」
監督 パオロ・ジェノヴェーゼ
長年の友人である3組の夫婦と1人の友人、7人が集った夕食会。ひとりの女性が提案する。「私達本当に友達かしら?お互いが信用できるなら携帯電話を見せ合わない?」
原作版も見ました。韓国版の方が人物の背景がより深く設定されている。この原作版で判りづらかった関係性をよりクリアにして、さらに序列を付け加えている。職業なんかも若干違う。物語をもっと肉付けしてある。
韓国版はブラックコメディとして笑えたのに、こっちはネタバレしているのもあるだろうけれど、笑えなかった。やりきれない大人の事情を覗き見ている感じで。
整形外科医の扱いが違って、この映画では、彼と浮気男の新妻の二人が、誠実で隠し事のない人物として描かれている感じ。どちらも浮気された側だからかな。でも、泣いて結婚指輪を外す新妻と違って、整形外科医の夫の方は、妻の浮気を薄々感じとってはいても、あえて明らかにせずに水面下に置いたままでいようとする、大人の立ち回りのようだった。韓国版の方は、イタリア版ほどこのキャラクターに魅力はなくて、不動産投資の失敗という秘密のエピソードも蛇足に思える。
新妻の方も、こっちの方が、情の深さや優しさ、真っ当な正義感が際立っているように思えた。
クライマックスの、弁護士(韓国版では。イタリア版は職業ははっきりしない)が携帯の交換からゲイ疑惑を被る場面も、浴びせられる侮辱的な状況から友人を庇うために真実を告げないように感じられて、笑えない。シリアスに観てしまったよ。
精神科医の妻なんか、韓国版の方がそれらしいセリフがあって、らしいのに、ほとんど印象に残る活躍をしないイタリア版の方が、隠れて浮気している妻らしさを感じる。韓国版は、人物設定がクリアになっている分、どうしてこの理知的な彼女が、この男と浮気するの、って違和感が生まれるというか。
それぞれの関係性や過去の蟠り等の人物設定は韓国版の方が掘り下げられていて、より面白かったのに、キャラクターの魅力は、イタリア版の方が好感持てるし印象深く感じた。役者さんの魅力なのかな。
あるいは攻撃性の度合いのせいかもしれない。エゴイスティックな面が強調されるだけ、罪悪感なく笑えるブラックユーモアは、裏を返せば、その人物への共感や好感が減るってことか。
リメイク版をいろいろ見比べると、お国柄の違いなんかを楽しめるかも。
そして、原作版と比べると、人物の肉付けや解釈の勉強になるの間違いなし。




