「シャイニング」(映画)
監督 スタンリー・キューブリック
冬の間閉鎖されるホテルに、作家志望のジャック一家が管理人としてやってきた。そのホテルでは過去に、管理人が家族を惨殺するという事件が起こっていたのだが…。 (C) 1980 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
映画館の試写で観たはずなのに、なんで全然ストーリーを覚えてないんだろうと思ったら、途中で寝たんだ。で、ラストまじかで目を覚ました。その辺りの記憶はある。この淡々とした感じが眠気をさそうのはわかるけど、よくこの物語で寝たな(笑)。
面白いといえば面白いんだけど。内容盛りこみすぎの消化不良な感じ。子どもの超能力とか、女の子の幽霊とか、後からいきなり見え出す幽霊とか。なんかブツ切れでこっちの想像で補わなくちゃいけない。
ホラーとしてではなくて、この夫婦間の歪な関係性の方が気になった。就職を喜ぶ場面からして、男は失業中。偉そうにできる立場じゃないだろうに、妻は彼にずいぶん隷属的。そして男は当然のように支配的。でもこの辺りの説明はない。隷属的でダメな女かとおもいきや、意外に機転も効くし、行動力もあって、彼女がなんでこの関係性に甘んじているのかも判らない。
冒頭の場面で案内された、キッチンや、倉庫、迷路の後半での追いかけっこでの用い方は上手いと思う。
でも、子どもの能力や、口のなかの友だちの用い方はいまいち。生かし切れてないばかりか誤解を生みそう。
鏡文字を書くのとか、って悪魔だよ。
黒人の助っ人の扱いも中途半端で。
こういうホラーって、人格と心理と行動に一貫性がなくて、人物が物語を進めるための駒みたいで面白くない。
主人公、狂ったのか、憑りつかれたのか、それとも、かってのこのホテルに参加した誰かの生まれ変わりが、呼び寄せられてここに魂を縛りつけられる呪いでもかけられているのか。ラストの写真はそんな暗示で終わる。
ホラー映画で、ちゃんと怖いし、ハラハラするし、覚えてないし楽しめたんだけれど、眠いのはやっぱり同じ。煩すぎる盛り上げBGMのせいかもしれない。
あと、人物造形がちぐはぐな感じとか。




