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「ライダーズオブジャスティス」（映画）

　監督　アナス・トマス・イェンセン

　妻が列車事故で亡くなったという報せを受け、軍人のマークスはアフガニスタンでの任務を離れ娘の下へ帰国する。悲しみに暮れる娘を前に無力感にさいなまれるマークスだったが、彼の下を二人の男が訪ねてくる。その中の一人、妻と同じ列車に乗っていたという数学者のオットーは、事故は“ライダーズ・オブ・ジャスティス”と言う犯罪組織が、殺人事件の重要な証人を暗殺するために周到に計画された事件だとマークスに告げるが…。(C) 2020 Zentropa Entertainments3 ApS & Zentropa Sweden AB.

　あーこさんとマッツ・ミケルセンの別の映画を観る予定だったのが、観られなくなっていて、「あんまり面白くなさそうだけどマッツの映画あるよ。暴力復讐もの」「いいよ、いいよ、母、雑食だから」と、軽ーいノリで観始めたのが、思いのほか面白かった。

　衝動的に人殺しちゃうような軍人さんだけど、割りにマッツ自身は主役感なくて地味な存在で、正義感と数学的信念に駆られた数学者たちが物語を転がしていく。壮絶なバイオレンスもの、のつもりで観ていたのが、実は、大切な存在を失った残された家族のグリーフケア、自分の心と向き合うための喪の作業の物語だった。

　復讐をやり遂げるまでに、誰かが裏切るんじゃあ、とかドキドキしながら観ていたのだけど、見終わってみると、ああ、皆、善人だったなぁ、とほっとできるオチでした。

　勘違いされたマフィアの皆さんはご愁傷様なのだけど、これも数学では計算しきれない因果応報の報いなのかも、などと考えてみたり。