「ブラックスワン」(映画)
監督 Darren Aronofsky
【第83回アカデミー賞(R)主演女優賞受賞:ナタリー・ポートマン】あなたの想像は100%覆される!人間の明と暗の二面性を“白鳥”と“黒鳥”のパートで演じわけ、次第に禁断の魔性へと変貌していくプリマドンナを描いた心理サスペンス。 ニューヨークのバレエ・カンパニーに所属するニナは、元ダンサーの母親の寵愛のもと、人生のすべてをバレエに捧げていた。そんな彼女に新作「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが訪れる。しかし純真な白鳥の女王だけでなく、邪悪で官能的な黒鳥も演じねばならないこの難役は、優等生タイプのニナにとってハードルの高すぎる挑戦だった。さらに黒鳥役が似合う奔放な新人ダンサー、リリーの出現も、ニナを精神的に追いつめていく。やがて役作りに没頭するあまり極度の混乱に陥ったニナは、現実と悪夢の狭間をさまよい、自らの心の闇に囚われていくのだった・・・。(サーチライト・ピクチャーズ作品)
二回目。映画館にかかってた時すごく見たくて、DVDになってすぐに観たかな。間が空いているせいか、前回とは印象も変わった。
今回気になったのは、性的な問題を抱える芸術系ヒロインの環境は、どうして母子家庭で、母の夢を実現するための存在的な設定にされるんだろうな、ってことで。「ピアニスト」を思い出していた。
こういうジギルとハイド的な二重人格(ニナの場合は妄想的な人格になるけれど)設定の映画を何本か見ている。「ダニエル」とか「ガール・イン・ザ・ミラー」とか。決まってラストはハイド氏側に振り回された主人公は諸共終わる。抑圧された攻撃性に理性はかなわないのか。殺すか殺されるかではなく、どうすれば統合されるのか、が描かれればいいのに。攻撃性と結びつきやすいリビドーを芸術で昇華する芸術家にとって、ともに生き残ることが自身の成功だろうに。
「ジョーカー」みたいに、どの場面が妄想でどこが現実か考えながら見ていると面白い。




