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「さよなら、ぼくのモンスター」(映画)

監督ステファン・ダン


メイクアップアーティストを目指す高校生のオスカーは、怒りっぽいが愛情深い父と暮らしながら、女優志望の友人ジェマとともに作品作りに没頭する日々を送っている。ジェマとはなんでも話せるけれど、恋人ではない、微妙な関係。ある日、バイト先にワイルダーという青年が入ってくる。つかみどころがなく、どこかミステリアスで自由気ままに季節を謳歌するワイルダーを目にするたび、オスカーの中に生まれる鈍い痛み。それは彼が誰にも言えず、そして認めないようにしてきたある"気持ち"だった-。©2015 ONTARIO INC. CLOSET MONSTER INC. ALL RIGHTS RESERVED.




 子どもの寝室のチェストに置かれた歪な形のミラーボールいいな。手作りできそう。あ、これ髑髏だったんだ。


 ゲイの少年の恋する相手が、金髪巻き毛のダヴィデ像タイプ。「胸騒ぎの恋人」にしろ。「セクシャリティ」は黒髪だったけれど、タイプ被ってるぞ。


 そして、相手の着たシャツでやることも同じ。


 なるほど。金髪巻き毛は天使像のイメージなのか。



 主人公のオスカーの心理を丁寧になぞってはいるのだけど、友人の女の子との関係性や、金髪巻き毛との関係や、なんだか中途半端。


 クローゼット・ゲイのオスカー。実は父親自身がそうで、その投影同一化からゲイになったんじゃないかって感じ。父親をクローゼットに押しこむところとか。

 そして母親の服を着て、金髪の彼の招待してくれたパーティへ行く。


 この彼はたぶんゲイで、オスカーを狙ってる感まんまんだったんだけど、おぼこい彼は気づかない。

 幼い頃目撃した、ゲイの少年の暴行事件がトラウマになっていて、恐怖が心の奥底に巣くってしまっている。それに父親の頻繁に口にする「カマ野郎」のセリフ。いかにもホモフォビアの無自覚ゲイみたい。


 支配的で幼稚な父親から離れ、母親のもとへ、そして進学して町からでてどこかの島へ。そこで、母親が離婚と同時にくれ、長年飼っていたハムスターをボートにのせて海に流すのだけど。


 この題名の「モンスター」っていうのは、自身の両親への愛着のことなのか、内側でずっと巣くってゲイである自分を抑え込んでいた恐怖心なのか、抑圧していた父そのものなのか、よくわからない。


 まず、ゲイのアイデンティティに苦しんでいた感じでもない。妄想の杭とか、ネジとかで表現されているけれど、恋している金髪を前にした彼から、自分の感情に対する抑圧的なものって、感じられなくて。演技だけでなく、シナリオ的にも。


 最後に彼と過ごした一夜が、彼に何をもたらしたかよりも、部屋を無茶苦茶にされた怒りからの、解放へとシフトしていったので、ゲイである自分に打たれた杭を引き抜いて、父親に反撃する行為に、彼の存在が影響したのかもよくわからない。

 なんかオスカー自身、ドラッグでハイになってて、なんかよくわかりません、って感じ。


 

 見ていて面白いし、解り良いんだけど、中途半端、そんな印象を否めないできの映画でした。





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