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「アンテベラム」(映画)

 博士号を持つ社会学者で人気作家でもあるヴェロニカ (ジャネール・モネイ) は、優しい夫、愛くるしい幼い娘との幸せな家庭を築き上げていた。ある日、ニューオーリンズでの講演会に招かれた彼女は、力強いスピーチで拍手喝采を浴びる。しかし、友人たちとのディナーを楽しんだ直後、ヴェロニカの輝きに満ちた日常は突然崩壊し、究極の矛盾をはらんだ悪夢へと反転するのだった…。一方、アメリカ南部のプランテーションで囚われの身となり、過酷な労働を強いられているエデン。ある悲劇をきっかけに、奴隷仲間とともに脱走計画を実行するが-。



 珍しく監督でチョイス。「ゲットアウト」が面白かったから。


 予告動画にミスリードされた。先入観で見始めているから、繋がりがピンとこなくて。南北戦争時代らしい始まりに、タイムスリップ、とか転生もの? などと惑わされた。


 現在で始まって、間に挟まる現代が胡蝶の夢のごとく回想される過去の場面。そして現在に戻ると同時に、一気にクライマックにひた走る。


 メイクや服装が違うと、なかなか同じ人だと気づかないものなんだな。主人公以外は注意して見ていないせいもあるのかな。「ゲットアウト」は外見は同じでも、仕草や表情で中身が入れ替わっていると判らせるけれど、今回は外見が違って中身が同じ。初めは気づかなくて、徐々にそういうことかと判ってくる。


 残念だなって思うのは、登場人物がみなステレオタイプみたいだな、ということ。そのために邂逅シーンでの友人の一人は白人なのかもしれないけど、如何せんもう一人の黒人の友人ほどキャラが立っていなくて印象は薄い。


 迫害する白人と屈することなく闘う黒人の構図は、なんだかナチス映画に似ている。責められる側が、誰もが異議を唱えない完全悪のようで。この映画に描かれる迫害者にしてもそう。



 最近知って、へぇと驚いた法格言。

「権利の上に眠る者は保護に値せず」

 民法上の時効制度の考え方の基本とされる言葉なのだけど、権利はあるのにそれを主張しないなら、法律で保護する価値はないというもの。


 本来の意味とは違うのだけど、大昔の権利の上で惰眠を貪り意識変革を怠っていると、現在の法によって守られることはないよなぁ、としみじみ。

 そして、主張することの価値を知るものが、法の保護を得られるように。


 主張の苦手な日本人の、アジア人差別の映画もそのうち見ることができるだろうか?


 主人公の主な迫害者は皆、葬られてしまったけれど、むしろこの農園が白日の下に晒された後の話を見たかった。





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