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「ケープ・フィアー」(映画)

監督マーティン・スコセッシ

出演ロバート・デ・ニーロ, ニック・ノルティ, ジェシカ・ラング


14年間の監獄生活を終え、たった一つの目的を持って出所した精神病質者のマックス・キャディ(ロバート・デ・ニーロ)。彼は自分を救えなかった弁護士、サム・ボーデン(ニック・ノルティ)に復讐の念を燃やしていた。マックスは徐々にサムの家庭に亀裂を入れていく。サムは法律上、ジェシカ・ラングジュリエット・ルイスを守る方法がないことを知り、マックスとの全面対決の場をケープ・フィアーに移す。美しい映像とキャストの見事な演技が描くサイコ・スリラー。



 子どもの頃、デ・ニーロのファンだった。観た映画って、「ディア・ハンター」や「ゴットファザー」だよ。どんな子どもだったんや(笑)。


 と、懐かしく思いだしながら。初めの印象は「ジョーカー」。髪型とか印象とかね。こっちが先だから、ジョーカーがこの映画のマックスを取り込んでいるのかな。「キングオブコメディ」のオマージュ的なことはよく目にするけれど。デ・ニーロとスコセッシ監督へのオマージュでもあるのかな。


 物語的にも、一見逆恨みと取れるきっかけから行動がエスカレートしていくし。

 復讐の根拠となった、弁護士が自分に有利になる証拠を握りつぶしたから、という事実が、「自分を全力で助けるはずの弁護士が、自分を裁いたから」という理由で復讐に結びついたと判ったとき、自分を捕まえた刑事や、糾弾する検察ではなく、ルールに背いた弁護士に向けられたことにすごく納得した。


 自分を辛い境遇に落としたこと以上に、マイルールに外れていることが許せない彼の病的な価値基準。そういう相手に対して、これもまた自分自身の道徳基準で弁護士としての最善を尽くさなかったサムは、付け入るスキを自ら与えてしまったということ。

 どう言えば、マックスを説得できただろうね。

 序盤のマックスは、頭が良く冷静に復讐への手を打ち、対する弁護士一家は傲慢さが鼻について同情できなかった。かといって、この一家が復讐されることを容認できるものでもなく。

 

 自分が受けた裏切りに対して暴力で返すことに同調するか、という問いかけ(があるかどうか判らないが)にしても、「ジョーカー」が被る。

 

 相手が無知であるから、手を抜いたり、自分の感情優先で客観的にフェアでないことができていたのが、相手に同等の知識があればその立場は逆転する。

 途中までは、教育や教養は人間を強くするなぁ、と感心して観ていただけに、ラストの精神疾患的な思考回路と行動化は残念だった。


 


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