「ローズメイカー 奇跡のバラ」(映画)
監督ピエール・ピノー
出演カトリーヌ・フロ, メラン・オメルタ, ファツァー・ブヤメッド
フランス郊外。あふれる才能と魔法のような指で新種のバラを開発し、数々の賞に輝いてきたエヴ。だが数年前から巨大企業のラマルゼル社に賞も顧客も奪われ、亡き父が遺したバラ園は今では倒産寸前に。助手のヴェラが何とか立て直そうと、職業訓練所から格安で前科者のフレッド、定職に就けないサミール、異様に内気なナデージュを雇う。だが3人は全くの素人で手助けどころか一晩で200株のバラをダメにしてしまう。そんな中、エヴに新種のアイディアが閃いた! 交配に必要なバラがラマルゼル社のバラ園にしかないと知ったエヴは、フレッドにある“特技”を披露させる。パリの新品種コンクールまであと1年、はみ出し者たちの壮大な奮闘が幕を開ける──!
ストレス溜まって疲れていたので、花に癒されたくて選んだ映画。期待通り、薔薇園、庭園、温室、室内インテリアの細部まで魅力的。物語も最後までワクワク楽しく観れた。
情熱高じて、道を踏み外したエヴの“新種のアイデア”から始まった思惑は途中で挫折し、初めはただ闇雲に言われたことをやるしかなかった新人たちの自主的に試みた奇蹟に救われる。
さすがに盗んだ薔薇で賞を取る展開になったら、いくら努力していても、モヤモヤが残ったと思うし。
エヴの熱意に引きずられ、巻き込まれて応援してしまう気持ちもあるけれど、こういった倫理観・罪悪感のなさには怖いものがある。同業者に対してそれをするのはやっぱりダメでしょう。後半、いくら「薔薇を商品としかみていない人と一緒には働けない」などと言っても、納得できないものがあった。
思い返して分解すると、エヴとラマルゼル社の経営方針の違いとか、フレッドと親との関係性とか、描かれ足りないなと感じる面はたくさん。フレッドの才能にしても、盗みではない方の才能を、薔薇園立て直しに役立てる展開が欲しかったな、とか。
諸々あるのだけど、見ている間は、魅力的な俳優さんたちに引き込まれて、ひたすら楽しい。そして、後味も良かった。




