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「クッキング・ラブ 二つ星シェフ」(映画)

ケリーは子供向け料理ショー"小さなグルメ"のプロデューサー。ある日、番組ホストがぎっくり腰になり、急遽、二つ星レストランの若きシェフ、スティーブンに代役を依頼。ところが彼は、料理評論家に激怒する様子の動画をSNSで拡散されたことから、短気なシェフとして騒がれていた。


監督ジェム・ガラルド

出演アリ・リーバート, ブレット・ダルトン, ジャネット・キダー



 シェフもの、三作目。

「デリシャス・ラブ 恋の駆け引き」とよく似た設定だった。

 仕事いちずなヒロインと、プライド高い()()シェフ。ヒロインはキャリアアップを目指し、シェフは汚名挽回のため、いやいや依頼をひきうけて――。


 でも、こっちはサブキャラの物語は絡まずに、主役に的を絞っての進行だった。トラブルやずるいライバルにしてやられたりもあるのだけれど、おおむね順調。泣いたり、わめいたりなんてことは起こらない。温めていた企画を抜かれた時も、ヒロイン冷静……。


 初めは反発していた二人がしぶしぶ歩み寄っていくうちに、相手の人間性に尊敬を見いだして好意をいだいていく。恋愛ものというよりも、なんだかアメリカ式コミュニケーションノウハウを見ているような関係性だった。


 初めは、相手の話を聞かず、自分の主張しかしない嫌な二人なんだよな。でもこれは軽いジャブのようなもので、そこから交渉が始まる。

 譲れるところと通したいところの駆け引き。表に見せている顔って、多分にビジネス上の顔だったりする。その交渉用の顔とは別の顔、自分以外の人に見せる顔から、相手の人間性を探り、信頼に足るかどうかを見極めていたりも。

 相手を尊重するよりも説得する姿勢で始まるけれど、協力していける妥協点を探っていく。相手の理解から主張の正当性を認め、ようやく尊重が始まる。

 尊重する、されるに足る人間かどうか。そこから問われている。


 SNSなんかで、寄り添い尊重することばかりが要求され、本人の人間性に厳しい眼を向けることが疎かにされがちな意見を目にすることが多いせいか、こういう「気にくわない」を克服していく過程、素敵だなと思う。


 今回も、映画館に足を運んで観たい映画というよりは、軽めのホームドラマなんだけど、ほっこり幸せになれた。



 余談。ヒロインがシェフのレシピ本を参照しながら作ったのが、ミートボールスパゲッティだったのが気になった。これ以外で出てくる料理名は、フランス料理だったのに、ハンバーガーやピザに顔をしかめる二つ星シェフが、アメリカの大衆料理を、フレンチ、牛肉の赤ワイン煮(ブフ・ブルギニョン)と並べてレシピ本出版するのか、と。

 まぁ、どうでもいいつっこみだけど。


 


 

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