「美しい絵の崩壊」(映画)
監督アンヌ・フォンテーヌ
出演ロビン・ライト, ナオミ・ワッツ, ゼイヴィア・サミュエル
オーストラリア東海岸の入り江に建つふたつの家。ロズとリルは双子の姉妹のように同じ時を過ごしてきた。ロズの息子トムとリルの息子イアンは、母親たちと同じく親友としての絆を深めていた。
なんというか……。閉じられた世界の母子関係? この4人の中に、父親がいるときの異物感が半端ない。でも、この父親の個性は解りやすいのに、母親二人の個性って今一つ掴み辛い。
雰囲気からは、ロズはリルが好き。でもリルは依存的でありながら親友としか思っていない。
この4人の中でイアンだけが、本当に恋してる感じ。なんでロズが彼を受け入れたのかが判らなくて、リルの替わりとしか説明つかない。
トムなんかは、母親を寝取られた腹いせに同じことをしてやった、って感じで。だからこの環のなかから外へ出たら当たり前に浮気しちゃう。
リルは恋だの愛だのよりも、トムを捌け口にしてる感じ。この二人には愛は感じられなくて、相手に対する責任がないから、ズルズルできちゃうんだろうな、と。
対して、イアンの想いは真剣で、だからロズも真剣に断ち切ろうとする。彼の未来に対する責任を考え、けじめをつけようとしたんだろうな。
エディプスの話なのかな、と思ってたけれど、そうでもなくて。
むしろいい大人が、自分たちに向けられた情熱を性欲の捌け口にするにすぎないようなおぞましさがあって、なんだかなぁな気分だった。そして血は繋がっていなくても、近親相姦的。それぞれにそういう自覚があるのだから。そういう意味では、父親不在のエディプスの話はこうなるという説話なのだろうか。
そして、トムとイアンの関係性もよく判らなかった。
どうすればこの4人の関係性を維持していけるのか、そのための無自覚の行動。そんな感じ。息子たちが先に行動を示すのだけれど、それは母親たちの欲望を敏感に感じ取っての投影性同一視からの行動じゃないのか、とか。
心理や性格が解り辛い分、想像を刺激されて面白かった。けれど、自分でキャラクターに肉付けしていったら、やっぱり、なんともなぁ……になる。




