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「ぼくを探しに」(映画)

監督シルヴァン・ショメ


幼い頃に両親を失ったポールは、ショックで言葉を話すことができなくなった。そんなポールを育ててきたのは、風変わりな姉妹の伯母たち。二人はポールを世界一のピアニストに育てようと必死だった。(Amazonより)




 冒頭の語句がプルーストからの引用。


「すべては記憶の中にある。

 そこは薬局か科学室のようで

 手に取るのが鎮痛剤か毒薬かわからない」



 失語症のポールに、怪しいお茶とマドレーヌで過去の記憶を見せてくれるマダム・プルースト。プルーストの無意識がふっと浮かびあがるのとはまるで違って、無意識の海に餌や釣り針を投げ込んで記憶を釣りあげるそう。


 二転三転する記憶に翻弄されるポール。意識化されないDVの記憶と思っていたものが、まったくの誤解のプロレスごっこ。笑えない。フランス人とは笑いのツボが違いすぎるらしい。両親の死因にしても。


 マダムとポールの交流というにはあまりにもその交流の濃さが理解し辛い、お茶飲んで寝るだけのポールが深く彼女に結びつけられているのは、彼の欲しかった母の記憶を与えてもらえたからだろうか。


 彼女が去ってからの喪失を、自分自身で埋めていく姿は、彼がこの催眠療法ともいえる過去見で、大人へと歩みを進めることができたからだろう。


 物語自体は面白かった。笑えないだけで。


 この笑いのツボって、難しいな、と思う。








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